不登校とスマホ依存の関係

不登校とスマホ依存は、どちらか一方が必ず原因になるとは限らず、相互に影響している場合があります。
ここでは、不登校とスマホ依存の関係について、お子さまの状態を考えるうえで知っておきたいポイントを解説します。
スマホが不登校の原因になるとは限らない
お子さまが不登校になり、スマホを長時間使っていると「スマホが原因なのでは」と考えてしまうことがあります。
しかし、不登校の背景には、学校での人間関係や学習面の悩み、心身の不調など、さまざまな要因が関係します。
スマホの利用が生活リズムに影響することはありますが、スマホだけを原因と決めつけず、学校へ行きづらくなった背景にも目を向けることが大切です。
不登校をきっかけにスマホ利用が増えることもある
不登校をきっかけに、スマホの利用時間が増えるケースもあります。
自宅で過ごす時間が長くなると、SNSで友人とつながったり、動画を見て気持ちを紛らわせたりする時間も増えやすくなります。
思春期の子どもを対象とした研究では、孤独感が高いほど、その1年後に問題のあるインターネット使用につながるリスクが高まることが示されています。
スマホの使用時間だけを減らそうとせず、お子さまがスマホに何を求めているのかを考えることも重要です。
参考:国立成育医療研究センター「思春期の孤独感がネットの使いすぎにつながるリスクを増大~全国大規模調査で明らかに~」
不登校の子どもにみられるスマホ依存の特徴

スマホを長時間使っているからといって、必ずしもスマホ依存とは限りません。
ここでは、不登校のお子さまにスマホ依存が疑われるときにみられやすい特徴を紹介します。
スマホを使う時間を自分で減らせない
スマホ依存では、使用時間の長さだけでなく、自分で利用をコントロールできるかどうかも重要です。
「少しだけのつもりだったのにやめられない」「減らそうとしても続けてしまう」といった状態が続く場合、スマホの利用を自分で調整しにくくなっている可能性があります。
2023年の調査では、小学5年生〜高校2年生の19.8%が「インターネット依存が強く疑われる状態」に該当しました。
使用時間だけではなく、減らしたいと思っても自分ではやめられない状態が続いていることも、スマホ依存にみられる特徴の一つです。
参考:国立成育医療研究センター「【コロナ禍における親子の生活と健康の実態調査】
スマホを使えないと強くイライラする
スマホを使えないと強くイライラしたり、落ち着かなくなったりすることも、スマホ依存でみられる特徴です。
使用をやめるよう声をかけると激しく怒る、スマホが手元にないと何度も気にするといった反応が続く場合、スマホへの依存度が高まっている可能性があります。
ただし、不登校による不安やストレスによって感情が不安定になるケースもあるため、イライラの原因が必ずスマホにあるとは限りません。
睡眠や食事などの生活に影響が出ている
スマホの利用によって睡眠や食事といった日常生活に影響が出ることもあります。
たとえば、夜遅くまでSNSや動画を見続けて睡眠時間が短くなったり、食事中もスマホを手放せなくなったりする状態には注意が必要です。
こうした状況は、スマホの利用が生活の一部にとどまらず、睡眠や食事といった基本的な生活習慣にまで影響している状態といえます。
家族との時間や外出よりスマホを優先する
不登校になると自宅で過ごす時間が増えるため、「外に出ない=スマホ依存」と単純には判断できません。
一方、これまで楽しんでいた外出や家族との会話よりもスマホを優先する状態が続く場合は、スマホへの関心が強くなっている可能性があります。
趣味や外出、家族との交流といったこれまで楽しんでいた活動への関心が薄れ、スマホを優先する場面が増えることも特徴の一つです。
不登校の子どもがスマホに依存しやすい理由

不登校になると、自宅で過ごす時間が増えるだけでなく、人との関わり方や気分転換の方法にも変化が生じることがあります。
ここでは、不登校のお子さまがスマホを手放しにくくなる主な理由を解説します。
SNSが人とのつながりになる
不登校のお子さまにとって、SNSは友人や周囲の人とつながるための大切な手段になることがあります。
学校へ行かなくなると同級生と関わる機会が減りますが、SNSやメッセージアプリなどを使えば、自宅から自分のペースで交流できます。
学校以外で人とつながる機会が限られている場合、SNSが数少ない交流の場となり、スマホを手放しにくくなることもあるでしょう。
動画やSNSでつらい気持ちから離れられる
動画やSNSが、学校への不安やつらい気持ちから一時的に離れる手段になっている場合もあります。
興味のある動画や投稿を見ている間は気持ちを紛らわせやすく、不安やストレスから距離を置くことができます。
そのため、スマホが主な気分転換の手段になると、つらさを感じるたびにスマホを手に取る習慣がつき、利用時間も長くなりがちです。
家で過ごす時間が増えスマホを使いやすくなる
不登校になると学校で過ごしていた時間がなくなり、自宅で自由に使える時間が増えます。
スマホはSNSや動画、インターネット検索、ゲームなど幅広い用途に使えるため、予定のない時間を埋める手段にもなりやすいでしょう。
通学や授業による時間の区切りがなくなることで、スマホに触れる機会が増え、結果として利用時間が長くなりやすい環境になります。
次々と情報が表示されスマホを手放しにくくなる
スマホでは、SNSの投稿やショート動画、ニュースなどの情報が次々と表示されるため、やめるタイミングをつかみにくいことがあります。
一つだけ見るつもりでも、関連する投稿や動画を続けて見たり、動画のあとにSNSを開いたりしているうちに、利用時間が長くなることもあるでしょう。
さらに、不登校になると通学や授業といった生活の区切りが少なくなりやすく、スマホを使い続ける時間も伸びやすくなります。
情報を次々と見られるスマホの仕組みと、自由に使える時間の増加が重なることで、スマホから離れにくくなると考えられます。
スマホ依存が不登校の子どもに与える影響

スマホ依存の状態が続くと、生活リズムや人間関係など、日常生活のさまざまな面に影響が及ぶことがあります。
ここでは、不登校のお子さまに起こりやすい主な影響を解説します。
昼夜逆転や睡眠不足につながる
長時間のスマホ利用は、昼夜逆転や睡眠不足につながることがあります。
動画やSNS、ゲームを続けて就寝時間が遅くなると、睡眠時間が不足し、生活リズムも乱れがちです。
さらに、不規則な睡眠が続けば体内時計にも影響し、寝つく時間や起床時間が後ろにずれる可能性もあります。
こうした睡眠リズムの乱れが重なることで、日中の眠気やだるさにもつながります。
外出や活動の機会が減る
長時間のスマホ利用は、外出や体を動かす機会の減少につながる場合があります。
不登校になると、通学や学校生活による活動量が減りやすいうえ、スマホ中心の生活によって外へ出るきっかけも少なくなりがちです。
たとえば、散歩や買い物、趣味に使っていた時間がスマホの利用時間に置き換わることもあります。
スマホ中心の生活が続くことで、外出や体を動かす機会がさらに限られていく可能性があります。
SNSで人間関係のストレスが増える
SNSの利用によって、人間関係のストレスが増えることもあります。
不登校の子どもにとってSNSは友人とつながる手段になる一方、学校生活を楽しむ同級生の投稿を目にする機会にもなり得ます。
人とのつながりを保つためのSNSでも、使い方や置かれている状況によっては、心理的な負担につながる場合があります。
親子関係が悪化することがある
スマホの使い方をめぐって、親子関係が悪化する場合もあります。
保護者が利用時間を注意したりスマホを取り上げようとしたりすると、子どもが強く反発し、言い争いに発展するケースもみられます。
こうしたやり取りが繰り返されると、親子双方のストレスが高まり、関係がぎくしゃくしやすくなります。
不登校の子どもからスマホを取り上げてもいい?

不登校のお子さまからスマホを一方的に取り上げる対応は、できるだけ避けたほうがよいでしょう。
スマホはSNSや動画を楽しむだけでなく、友人とのつながりを保ったり、不安な気持ちを紛らわせたりする手段になっていることがあります。
突然使用を禁止すると、強い反発や親子関係の悪化につながる可能性もあります。
長時間利用が気になる場合は、まず使い方を確認し、本人と話し合いながらルールを決めることが大切です。
ただし、高額な課金や危険な相手とのやり取りなど、安全面に問題がある場合は使用制限や相談機関の利用を検討しましょう。
不登校の子どもがスマホ依存から抜け出すための対応
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スマホ依存から抜け出すには、使用時間を減らすことだけでなく、お子さまが無理なく続けられる方法を考えることが大切です。
ここでは、不登校のお子さまがスマホ依存から抜け出すための対応を紹介します。
スマホの利用状況を親子で確認する
まずは、スマホをどのくらいの時間、何のために使っているのかを親子で確認してみましょう。
SNSや動画、ゲームなど、主な使い方によって必要な対応は異なります。
スクリーンタイム機能を活用すると、アプリごとの利用時間を客観的に把握することが可能です。
使用時間を責めるのではなく、現在の使い方を一緒に整理することが、その後のルールを考える第一歩になります。
無理のないルールを一緒に決める
スマホの使い方を見直す際は、保護者様が一方的にルールを決めるのではなく、お子さまと相談しながら決めることが大切です。
急に大幅な制限を設けると、親子の衝突につながる場合があります。
「食事中は使わない」「〇時以降は動画を見ない」など、実行しやすい内容から始めてみましょう。
就寝前のスマホ利用を見直す
昼夜逆転や睡眠不足がみられる場合は、就寝前のスマホ利用を見直してみましょう。
「布団に入ったら見ない」「寝る30分前には動画を終える」など、お子さまが取り組みやすい方法を一緒に考えます。
スマホを目覚まし代わりにしている場合は、別の目覚まし時計を用意するのも一つの方法です。
生活リズムを整えることを目的に、無理なく続けられることから始めましょう。
スマホ以外の過ごし方を増やす
スマホを使う時間だけを減らそうとするより、スマホ以外の過ごし方の選択肢を増やすことも大切です。
散歩や料理、音楽、読書など、お子さまが興味を持てることから始めてみましょう。
外出や新しい活動が負担になる場合は、無理に勧める必要はありません。
自宅でできることや、以前好きだったことから探すと取り組みやすくなります。
こちらの記事では、スマホでゲームをする時間が特に長い場合の対応について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
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不登校の背景にも目を向ける
スマホ依存を改善するには、使い方だけでなく、不登校になった背景にも目を向ける必要があります。
学校での人間関係や学習への不安、心身の不調を抱えている場合、スマホがつらさから距離を置く手段になっていることがあります。
スマホだけを制限しても、根本的な悩みが残れば長時間利用を繰り返す可能性があります。
「なぜスマホを手放せないのか」という視点を持ちながら、不登校の悩みも整理していきましょう。
家庭での対応が難しいときの相談先

スマホ依存や不登校への対応を家庭だけで続けると、保護者様の負担が大きくなることがあります。
ここでは、対応に迷ったときに利用できる相談先を紹介します。
学校や公的な相談窓口
学校や地域の相談窓口は、不登校や家庭での困りごとを相談できる身近な場所です。
学校では担任やスクールカウンセラー、地域では教育支援センターや自治体の相談窓口などを利用できます。
スマホの使い方だけでなく、学校生活や友人関係、今後の学び方について相談できる場合もあります。
身近な相談先を利用したい場合は、学校や地域の相談窓口から相談してみるとよいでしょう。
医療機関
スマホを使えないと激しく怒る、昼夜逆転が続いている、心身の不調が強いといった場合は、医療機関への相談も検討しましょう。
児童精神科や精神科、心療内科などでは、スマホ利用の問題だけでなく、背景にある不安や気分の落ち込み、発達面の特徴なども含めて状態を確認してもらえます。
日常生活への影響が大きい場合は、早めに受診先を探すことも大切です。
不登校のカウンセリング
不登校への対応や親子の関わり方に悩んでいる場合は、不登校に対応したカウンセリングを利用する方法もあります。
カウンセリングでは、スマホを無理にやめさせることだけを目的とせず、お子さまがスマホに依存している背景や、家庭での声かけについて一緒に整理できます。
お子さま本人が相談を嫌がる場合でも、保護者様だけで相談できるサービスがあります。
家庭の状況に合った関わり方を考えたいときにも活用しやすい相談先です。
不登校とスマホ依存に悩んだら不登校こころの相談室へ

不登校とスマホ依存は、どちらか一方だけに原因があるとは限りません。
スマホを制限することだけに目を向けず、利用が増えた背景やお子さまの気持ちを含めて考えることが大切です。
不登校こころの相談室では、公認心理師・臨床心理士がオンラインで相談に対応しています。
「スマホを取り上げるべきか」「家庭でどう声をかければよいか」といった悩みも、保護者様だけで相談できます。
不登校やスマホとの付き合い方に迷ったときは、まずはAI診断から今の状況を整理してみてくださいね。
















