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GW明けに不登校が増える原因

GW明けは、楽しかった日常から現実世界に戻る、大きな環境変化のタイミングです。
その負荷に耐えられず、不登校に至るお子さまは少なくありません。
ここでは、GW明けに不登校が増える主な原因を解説します。
生活リズムの乱れによる疲れ
GW中は夜更かしや朝寝坊など、日常と異なるリズムで過ごすことが多くなります。
この生活リズムの乱れが、GW明けに心身に大きな負担をかけるのです。
近年では、夜遅くまでスマートフォンを見ていたお子さまが、朝起きられずに体調を崩すといったケースが増加傾向にあります。
また、だるさや倦怠感を訴える場合もあり、本人もどう対処してよいかわからないままストレスを抱え込んでしまいがちです。
こうした小さな負担が積み重なり、登校に向かう気力そのものが失われてしまうことが、GW明けの不登校リスクを高めています。
学校生活への不安・ストレス
GW明けに不登校が増えるもう一つの大きな要因は、学校生活への不安やストレスです。
GW中は学校から離れ、安心できる家庭環境で過ごす時間が長くなります。
しかしその分、再び集団生活に戻ることに対して強いプレッシャーを感じるお子さまも少なくありません。
たとえば、クラスでの人間関係に悩みを抱えていた場合、「また同じ教室に行かなければならない」と考えただけで、心が重くなってしまうことがあります。
さらに、勉強の遅れを気にするあまり、「授業についていけないかもしれない」という不安を膨らませてしまうケースも見られます。
このように、学校という場所自体がストレス源になってしまうと、登校への意欲が急速に低下してしまうのです。
不安の芽を放置せず、お子さま自身も保護者様も少しでも早く気づいてケアしていくことが、不登校を未然に防ぐ大きな鍵となります。
GW明けに見られる不登校のサイン

GW明けに不登校が心配されるお子さまには、いくつかのサインが見られることがあります。早めに気づくことが、大きな不調を防ぐ手助けにもつながります。
ここでは、GW明けに特に注意したいサインについて紹介します。
体調不良を訴える
GW明けに腹痛や頭痛などの体調不良を頻繁に訴えるようになった場合、心の不安が身体症状として表れている可能性があります。
「お腹が痛い」「頭が重い」などの訴えが続く一方で、病院では特に異常が見つからないケースも少なくありません。
朝になると急に腹痛を訴え、学校の話題を避けたがる様子が見られる場合、心理的な負担を疑う必要があるでしょう。
体調不良を単なる甘えや仮病と決めつけず、背景にあるお子さまの気持ちに寄り添うことが、不登校の悪化を防ぐ第一歩です。
無気力になる
不登校のサインとして、これまで活動的だったお子さまが、GW明けから急に無気力な様子を見せることもあります。
興味関心が薄れ、好きだった遊びや趣味に対しても無反応になる場合、心のエネルギーが低下しているサインかもしれません。
たとえば、以前は楽しみにしていた習い事にも「行きたくない」と言い出したり、何をするにも曖昧な返答を繰り返すようになった場合は、注意が必要です。
無気力は、お子さまなりにストレスと闘った末のサインであることも多いため、まずは無理に活気を取り戻そうとせず、休息を優先させることが大切です。
家で過ごす時間が変化する
GW明けから、お子さまの家庭内での過ごし方に変化が見られることも、不登校の兆候のひとつです。
以前は家族と一緒に食卓を囲んだり、外遊びに積極的だったお子さまが、部屋に閉じこもるようになったり、スマートフォンやゲームに没頭する時間が急激に増えた場合は注意しましょう。
話しかけても反応が薄くなったり、必要以上に家族との接触を避ける行動が増えてきたら、心の中で大きな不安を抱えている可能性があります。
保護者様はこのような変化を見逃さず、できるだけ穏やかに話を聞き、お子さま自身の気持ちを受け止める姿勢を持つことが大切です。
GW明けの不登校への対処法

お子さまが不登校のサインを見せたとき、保護者様がどう対応するかによって、その後の状況は大きく変わります。
無理に登校を促すのではなく、お子さまの心に寄り添いながら、回復のきっかけを探していきましょう。
ここでは、GW明けの不登校に対する、具体的な対処法を紹介します。
無理に登校を促さない
不登校初期の対応で最も重要なのは、無理に登校を促さないことです。
「学校に行かなきゃダメでしょう」と強く言われたり、お子さまの意に反した対応をとられたりすると、お子さまはますます追い詰められ、心を閉ざしてしまう恐れがあります。
お子さまが登校に前向きではないときは、「今日は休んでもいいよ」「まずはゆっくり体を休めよう」と声をかけ、登校そのものを一旦脇に置く選択肢を示すことも一つの方法です。
「一度休むとズルズルと欠席が続くのでは…」と保護者様が焦る気持ちは当然ですが、お子さまのペースに合わせた対応が、長い目で見たときの回復への近道となることもあるのです。
子どもの不安を受け止める
お子さまが学校に行きたくない理由を話し始めたら、途中で遮らず最後まで聞くことが大切です。
たとえば、「友だちとうまくいかない」「勉強についていけない」といった悩みを打ち明けたとき、保護者様はつい解決策を並べてアドバイスをしたくなるかもしれません。
しかし、まずは「そんなふうに感じていたんだね」と気持ちを受け止めることが、心を開く大きなきっかけになります。
お子さま自身が「わかってもらえた」と感じることが、安心感と自己肯定感の回復につながります。
学校や専門機関と連携する
お子さまの状況に応じて、学校や専門機関に相談することも重要です。
家庭だけで抱え込まず、積極的に外の世界や支援先を頼るよう心がけましょう。
身近な相談相手としては、スクールカウンセラーや担任の先生が挙げられます。このとき、状況を詳細に共有することで、より具体的な支援策を立てることができます。
また、強いストレスを感じていたり、身体的な不調を訴える場合、医療機関に相談して治療を受けることも視野に入れましょう。
不登校には、多方面からのサポートが有効です。
周囲と協力しながら対応することで、保護者様自身の負担も軽減され、より安定したサポートが可能となります。
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GW明けの不登校を防ぐためにできること

GW明けに不登校を防ぐためには、GW中から意識的に準備をしておくことが大切です。
ほんの少しの工夫や声かけが、お子さまの負担を大きく減らすことにつながります。
ここでは、保護者様ができる具体的なサポート方法について紹介します。
GW中も生活リズムを維持する
GW中でも、できる限り普段に近い生活リズムを保つよう心がけましょう。
夜更かしや朝寝坊が続くと、学校再開のタイミングで体がついていかず、登校へのハードルが高くなってしまいます。
朝は一定の時間に起きる、夜はできるだけ決まった時間に布団に入るなど、基本的なリズムを崩さない工夫が有効です。
また、朝食をしっかりとる、午前中に外に出るといった小さな習慣も、体内リズムを整える助けになります。
GW明けに無理なく学校生活へ戻るためには、連休中から意識して生活リズムを整えておきましょう。
小さな目標を設定する
いきなり「学校に毎日通おう」と大きな目標を立てるのは、お子さまにとって大きな負担になることがあります。
そこで、より達成しやすい小さな目標を一緒に設定することが効果的です。
たとえば、まずは「制服を着てみる」「学校の門まで行ってみる」といった簡単なステップから始めてみましょう。
達成感を得ることで自信が積み重なり、次第に登校への意欲が高まることも期待できます。
保護者様がお子さまの小さな一歩を肯定的に受け止め、できたことをしっかり認めてあげることが、前向きな気持ちを育む大きな力になります。
親自身も心の余裕を持つ
保護者様自身が焦りや不安を抱えてしまうと、その空気はお子さまにも伝わってしまいます。
お子さまのためにも、まずは保護者様自身が心に余裕を持つことが大切です。
お子さまに不登校の兆候が見られたり、実際に不登校になっている状況は、保護者様にとってもストレスとなるものです。
しかし、焦る気持ちが出てきたときは、「今は休む時期」「少しずつ進めばいい」と、自分自身に声をかける意識を持ってみましょう。
また、信頼できる家族や支援機関に相談することで、気持ちを整理することも一つの方法です。
話すだけでも、ストレスの発散につながり、心が軽くなることがあります。
「不登校こころの相談室」では、保護者様のカウンセリングやサポートも積極的に行っています。相談先に悩んだときは、ぜひ検討してみてくださいね。
保護者様が落ち着いている姿は、お子さまにとって何よりの安心材料となります。
無理をせず、一緒に少しずつ歩んでいく姿勢を大切にしていきましょう。
GW明けの不登校に悩んだときは「不登校こころの相談室」へ

GW明けは、お子さまにとって心身ともに負担が大きい時期です。
生活リズムの乱れや学校への不安が重なり、登校できないことに悩むお子さまは少なくありません。
大切なのは、無理に登校を促すのではなく、まずお子さまの不安に寄り添うことです。
保護者様も決してひとりで抱え込まず、必要に応じて支援を求めながらサポートしていきましょう。
もし、お子さまの不登校に悩んだときは、「不登校こころの相談室」にご相談ください。
経験豊富なカウンセラーが、お子さま一人ひとりの状況に寄り添いながら、最適なサポートをご提案します。
小さな悩みでも構いません。まずはお気軽にご相談くださいね。