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女子中学生の不登校の原因

不登校は,、さまざまな原因が複雑に絡み合って起こることが多いものです。
その中でも、女子中学生には「女子中学生ならでは」の不登校の原因が存在します。
ここでは、女子中学生が不登校になる原因を、4つ紹介します。
- 友人関係のトラブル
- 自己肯定感の低下
- 学習面での不安
- 心身の不調
友人関係のトラブル
女子中学生にとって、友人関係は非常に重要なものです。
そのため、友人関係のトラブルを経験すると、不登校になることがあります。
女子中学生は数人のグループを形成する傾向にあります。
いわゆる「スクールカースト」と呼ばれるように、クラス内で序列があることも珍しくありません。
お子さまの在籍するクラスがそのような雰囲気にある中で、上手くグループに入れなかったり、集団に適応できなかったりすると、学校自体がつらい場所となってしまいます。
クラスの中で「居場所がない」と感じると、不登校につながりやすくなるのです。
女子中学生は友人トラブルを経験することが多く、それが原因となって不登校になることがあります。
自己肯定感の低下
思春期は、自己肯定感が揺らぎやすい時期です。
友人関係や学業の成績、家庭環境などさまざまな要因が影響し、「自分は価値がない」と感じることがあります。
特に女子中学生は、他人と自分を比べやすい傾向があります。
近年では、中学生のうちからスマートフォンを所有しているお子さまも多く、SNSを通して友人の日常を知る機会が増えてきましたよね。
SNSでは、クラスメイトが楽しそうに過ごしている様子が目に入り、「自分だけが取り残されている」と感じてしまうことがあります。
また、学校での評価や家族からの期待がプレッシャーになり、「自分はダメな人間だ」と思い込んでしまうこともあります。
このような自己肯定感の低下は、不登校を引き起こす大きな要因の一つです。
学習面での不安
授業についていけないといった学習面での不安が、不登校の原因となることもあります。
テストの点数が思うように伸びない、授業中に先生の話が理解できないといった経験が続くと、「自分は勉強ができない」「どうせ頑張っても無駄」と考えてしまうことがあります。
周囲が勉強できているように見えると、ますます自信を失い、学校に行くことへの抵抗感が強くなるケースもあります。
また、中学生のお子さまの中には、高校受験を控えているというケースも多いですよね。
初めての受験への不安やプレッシャーも、お子さまの悩みの種となりがちです。
このように、学習面での不安や焦りを感じることで学校が苦痛に感じるようになり、次第に不登校につながることがあります。
心身の不調
思春期の女子中学生は、ホルモンバランスの変化によって体調を崩しやすい時期でもあります。
特に、朝起きられない、頭痛や腹痛が続く、めまいがするなどの症状がある場合、起立性調節障害の可能性も考えられます。
中学生のお子さまの場合、まずは小児科を受診しましょう。
また、女子中学生特有の悩みとして、「月経(生理)」が挙げられます。
月経に関する悩みも、不登校の一因になることがあるため、注意が必要です。
女子中学生のお子さまは、生理痛がひどい、ナプキン交換が気になる、体育の授業が不安といった理由から、学校に行くことを避けることがあります。
中学生のお子さまの場合、月経が始まって間もないというケースも珍しくありません。
初潮(初めての月経)を迎えてから周期が安定するまでには個人差があり、それに伴って心身のバランスが乱れることがあります。
身体的な不調が続くと、心にも影響を与え、「学校に行きたいけれど行けない」という葛藤を抱えることが増えてしまいます。
保護者様だけでは解決や対応が難しいと感じる場合、婦人科を受診してみることも方法の一つです。
女子中学生の不登校が続くリスク

女子中学生の不登校は、お子さま本人にも保護者様にも不安や焦りをもたらすものです。
お子さま自身も、「このまま不登校が続いたらどうなるんだろう」と漠然とした不安を抱えているのではないでしょうか。
ここでは、女子中学生の不登校が続くことによるリスクを、4つにまとめて紹介します。
- 社会との接点が減る
- 生活リズムが乱れる
- 自己肯定感が下がる
- 進学や就職に影響する
社会との接点が減る
不登校が長引くと、学校以外の社会との接点も減ってしまいます。
その結果、友人と会う機会が減るだけでなく、人と会うこと自体に苦手意識を持つようになるお子さまは、珍しくありません。
社会との関わりが減ると、人と会話することに対する不安が強くなってしまいがちです。
不登校初期は、学校のクラスメイトとの関係が希薄になるだけだったかもしれませんが、次第に外出する機会自体が減り、保護者様や兄弟以外の人とほとんど話さなくなってしまうこともあります。
こうした状況が続くと対人関係への自信を失い、引きこもりにつながることがあるため、注意が必要です。
お子さまが社会とのつながりを保てるよう、機会を作っていけるとよいでしょう。
生活リズムが乱れる
長期間の不登校が続くと、昼夜逆転してしまうことも珍しくありません。
不登校による引きこもりがちな生活を送ると、日中に疲れるような活動をしないため、眠るべき時間に眠くならないのです。
また、夜遅くまでスマホを見てしまい、朝起きられないという悪循環に陥ることもあります。
女子中学生のお子さまの場合、不登校への不安や悩みから、夜なかなか寝付けないということもあるでしょう。
生活リズムが崩れると、体調が悪化しやすくなります。
また、登校するために起きる時間に起きられないことで、学校復帰のハードルも高くなります。
昼間に活動する習慣を作ることで、少しずつ健康的なリズムを取り戻すことが重要です。
自己肯定感が下がる
不登校によって学校に行けない日が続くと、「自分はダメだ」と思い込んでしまうことがあります。
特に、周囲の同級生が学校生活を楽しんでいる様子を見ると、さらに劣等感を感じやすくなるでしょう。
自己肯定感の低下は、不登校が長引く要因の一つです。
難しいことではありますが、「学校に行かないこと=失敗ではない」と考えることが大切です。
不登校でも学べる場はたくさんあり、将来の選択肢がなくなるわけではないことを、親子ともに理解できるとよいでしょう。
進学や就職に影響する
中学生のお子さまの不登校が続くと、「このまま進学できるのか」「将来はどうなるのか」と不安を感じる保護者様は多いでしょう。
実際、出席日数不足や学習の遅れによって、受験や就職に影響が出る可能性はあります。
特に女子中学生のお子さまの場合、目下の悩みは高校受験ではないでしょうか。
不登校のお子さまの高校受験について、近年では「不登校枠」を設けている高校があります。
「不登校枠」とは、選抜の際に「欠席に関する記録を見ない」「個人的に面接を行う」といった、特別な配慮がなされるものです。
不登校のお子さまが高校進学を検討する際は、近隣に不登校枠を設けている高校があるか、確認してみるとよいでしょう。
また、定時制高校以外にも通信制高校やフリースクールなど、さまざまな進路の選択肢が用意されています。
これらの学校は、不登校への理解や配慮がなされていることが多いため、お子さまが安心して在籍できるかもしれません。
いずれにせよ、入学後の生活を考慮し、学習の遅れはカバーしておけると安心です。
不登校のお子さまの進路については、焦らずにお子さまに合った道を見つけることが大切です。
無理に学校復帰を目指すのではなく、本人が安心して学べる環境を一緒に探していけるとよいでしょう。
不登校の女子中学生にできる対応

では、女子中学生のお子さまが不登校になったとき、保護者様にできる対応は何でしょうか。
思春期特有の難しさから、接し方に悩むことも多いでしょう。
ここでは、女子中学生のお子さまにできる不登校対応について、5つ紹介します。
- 子どもの気持ちを受け止める
- 規則正しい生活を促す
- 学習の遅れをサポートする
- 将来の選択肢について情報を集める
- 親のメンタルケアをする
子どもの気持ちを受け止める
まずは、不登校になったお子さまの気持ちに寄り添い、受け止めることが大切です。
「学校に行きたくない」という言葉の裏にはさまざまな思いが隠されています。
頭ごなしに否定せず、「辛いね」「何かあったのかな?」と優しく声をかけ、話をじっくりと聞いてあげてくださいね。
共感の言葉を伝え、安心感を与えることが大切です。
規則正しい生活を促す
生活リズムの乱れは心身の不調を悪化させます。
規則正しい生活は、お子さまの心身の安定に繋がるため、保護者様が協力して維持できるようにしましょう。
毎日同じ時間に寝起きし、3食きちんと食べる、適度な運動をするなど、生活リズムを整えましょう。
お子さまに無理強いはせず、少しずつ整えていけるとよいでしょう。
学習の遅れをサポートする
学習の遅れは、不登校中の不安を増大させるものです。
自宅でできる学習方法を活用し、お子さまのペースに合わせてサポートしていきましょう。
最近では、通信教材やオンライン学習も充実しています。
また、学校の先生に相談し、課題や教材を提供してもらうのもよいでしょう。
不登校による学習の遅れを責めるのではなく、興味や関心に合わせた教材を選んで取り組んでいきましょう。
将来の選択肢について情報を集める
不登校後の進路は、大きな不安要素ですよね。
お子さまにはさまざまな選択肢があることを伝え、一緒に考えることで将来への希望を持てるよう促していきましょう。
たとえば、通信制高校やフリースクールなどの情報を集めるのも、方法の一つです。
お子さまの希望や興味を尊重しながら、焦らず時間をかけて話し合いましょう。
親のメンタルケアをする
不登校のお子さまを支えるためには、保護者様自身の心の健康も非常に大切です。
不安や焦り、罪悪感などさまざまな感情を抱えがちですが、一人で抱え込まず、誰かに話したり、休息する時間を確保したりできるとよいでしょう。
現状について、ご自身を責める必要はありません。
不登校のお子さまを支える上で、保護者様自身が健康であることは、必要不可欠です。
積極的に周囲を頼り、心の健康の回復や維持に努めましょう。
女子特有の不登校の悩みは「不登校こころの相談室」へ

女子中学生のお子さまの場合、女子特有の悩みによって不登校に至ってしまうことがあります。
思春期ゆえ、保護者様に素直に悩みを打ち明けるのが難しいこともあるでしょう。
保護者様はどう対応すべきか、声をかけるべきか悩んでしまいますよね。
また、誰かに話を聞いてもらって、ストレスを発散したいと思うことがあるかもしれません。
そのようなとき、「不登校こころの相談室」では、心の専門家と一緒に女子中学生ならではの不登校について考え、解決に向かっていくことができます。
誰かに話すことで、心が軽くなることがあるかもしれません。
女子中学生の不登校に悩んだときは、ぜひ「不登校こころの相談室」にご相談ください。