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不登校を解決するには

不登校になりやすい家庭の特徴とは?予防法や対応法について解説します

お子さまが不登校になったとき、もしくは不登校になりそうなとき、「家庭環境や育て方が悪かったんだろうか?」と自分を責めてしまう保護者様は、多いのではないでしょうか。

不登校の原因はさまざまで、必ずしも家庭に原因があるとは限りません。

しかし、家庭環境や両親との関係が、不登校につながる要因となることも事実です。

では、不登校になりやすい家庭には、共通した特徴があるのでしょうか。

今回は、不登校になりやすい家庭の特徴を解説します。

家庭が原因で不登校にならないための予防法や、現在不登校である場合の対応法についても紹介するため、ぜひ参考にしてくださいね。

不登校になりやすい家庭の特徴

不登校になりやすい家庭の特徴

不登校は、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こることが多いものです。

家庭環境もその一つで、不登校になりやすい家庭には、いくつかの特徴があるとされています。

ここでは、不登校になりやすい家庭の特徴を、6つ紹介します。

  • 過干渉・過保護
  • 無関心・放任主義
  • 生活リズムが不規則
  • 両親の関係が不安定
  • 兄弟姉妹との比較が多い
  • 学業へのプレッシャーが強い

過干渉・過保護

過干渉・過保護な家庭環境は、お子さまの自立を妨げ、不登校の要因になることがあります。

保護者様が常に先回りしてお子さまの問題を解決してしまうと、自ら考えて行動する力が育ちにくくなります。

その結果、学校で困難に直面したときに自力で解決できず、欠席や不登校という方法で問題を避けようとすることがあります。

たとえば、宿題の時間や提出物の管理を保護者様がすべて行ってしまうと、お子さま自身が計画的に行動する機会を失ってしまいますよね。

また、友人関係のトラブルに対し、保護者様がすぐに間に入ったり学校へ連絡したりすると、お子さまは自分で対処する経験を積むことができません。

お子さまが自分で考え、選択し、行動できるように見守る姿勢が大切です。

無関心・放任主義

保護者様が無関心・放任主義であると、お子さまの孤独感が強くなり、不登校につながることがあります。

お子さまは、保護者様からの愛情や関心を感じることで安心して育つことができるものです。

家庭での会話が少なかったり、学校生活に興味を持たれなかったりすると、「どうせ誰も自分を気にしていない」と思い込んでしまうことがあります。

お子さまが話しかけても素っ気ない反応をとることが続くと、会話すること自体を諦めてしまうかもしれません。

成績だけに関心を示し、それ以外の学校生活について話をしない場合も、信頼関係が希薄になりがちです。

家庭では、日常の何気ない会話を大切にして、お子さまの話に耳を傾けることが大切です。

小さな積み重ねが、お子さまの心の安定につながります。

生活リズムが不規則

生活リズムが乱れると、朝起きられず、学校へ行く意欲が低下しやすくなります。

夜遅くまでスマートフォンを使う、食事時間が不規則、朝食を抜くといった生活習慣は、身体的・精神的な健康に悪影響を及ぼします。

結果として、朝起きられない、疲れやすい、集中力が続かないといった問題が起き、不登校のきっかけになることがあります。

深夜までゲームをして寝る時間が遅くなったり、休日に昼過ぎまで寝てしまったりすると、学校のある日とのギャップが大きくなります。

その影響で朝起きることがつらくなり、次第に学校へ行く気力が失われてしまうのです。

日頃から家庭で生活リズムを整えておくと、登校へのハードルを下げることができます。

両親の関係が不安定

家庭内の不安定な関係は、お子さまの精神的な負担となり、不登校の一因になり得ます。

保護者様同士の不仲や頻繁な言い争いは、お子さまの心に不安やストレスを与えます。

お子さまは保護者様が思っている以上に、両親の関係に敏感で、不穏な空気に不安を抱くものです。

家庭が安らげる場所でなくなると、元気が失われ、学校へ行く意欲も低下しやすくなります。

家庭内で頻繁に大声での言い争いがあったり、一方の保護者様が家を出ることが多かったりすると、お子さまは「自分のせいではないか」と不安を感じることがあります。

また、夫婦関係がぎくしゃくしていると、お子さまが気を遣いすぎて精神的に疲れてしまうこともあります。

夫婦間の関係を安定させ、家庭内の安心感を確保することが、お子さまの心の安定につながります。

兄弟姉妹との比較が多い

家庭内で兄弟姉妹と頻繁に比較される環境は、お子さまの自己肯定感を低下させ、不登校の要因になることがあります。

「お兄ちゃんはできたのに」「妹のほうがしっかりしている」といった言葉をかけられると、お子さまは自信を失い、「どうせ自分はダメなんだ」と思い込んでしまうことがあります。

こうした思いや経験が積み重なると、学校生活への意欲も低下しやすくなります。

また、兄弟姉妹との比較が続くと、親に認めてもらえないという不満やストレスが溜まり、家庭での居心地が悪くなることもあります。

その状態では、本来であれば安心できる環境である家でも心を落ち着けることができません。

精神状態が常に不安定になったり、精神的な疲れを溜め込んだりする恐れがあるため、注意が必要です。

保護者様がそれぞれの個性を尊重し、お子さま一人ひとりの成長を大切にすることが、健全な自己肯定感の成長につながります。

学業へのプレッシャーが強い

学業への過度なプレッシャーは、お子さまの精神的な負担となり、不登校につながることがあります。

成績がすべてであるかのような家庭環境では、勉強が苦手なお子さまは劣等感を抱きやすくなります。

また、お子さまは十分頑張っているにも関わらず、常に「もっと頑張れ」と言われ続けると、失敗への恐怖が強まってしまいます。

その結果、苦手な勉強をしなければならない、学校生活そのものに対して恐怖や不安を感じるようになってしまうのです。

たとえば、学校の成績が悪いと強く叱られる、テストの点数が低いと食事の時間まで説教される、といった状況が続くと、お子さまは学ぶこと自体が嫌になってしまいます。

次第に、学校に足が向かなくなることもあります。

お子さまの日々の努力を認め、結果だけでなく過程を大切にすることが、学習意欲の維持につながります。

家庭でできる不登校の予防法

家庭でできる不登校の予防法

不登校になりやすい家庭の特徴に当てはまると感じた保護者様は、「実際に不登校になったらどうしよう」と、不安や危機感を抱いているかもしれませんね。

しかし、家庭が原因で起こる不登校は、環境を整えたり親子の関係を見直したりすることで、未然に防ぐことができる可能性が高まります。

ここでは、家庭でできる不登校の予防法を、4つ紹介します。

無理のない範囲で、実践してみてくださいね。

  • 家庭でのコミュニケーションを増やす
  • 生活リズムを整える
  • 親子の距離感を見直す
  • 夫婦関係を良好に保つ

家庭でのコミュニケーションを増やす

お子さまとの日々のコミュニケーションを大切にすることで、信頼関係が深まり、不登校のリスクを減らすことができます。

保護者様は、仕事や育児、その他にもさまざまな活動によって忙しい日々を過ごしているかと思います。

そのような忙しい日々のなかでも、短時間でもよいのでお子さまと向き合う時間を確保することが重要です。

食事の時間や就寝前など、リラックスできるタイミングで会話をすることで、お子さまは安心感を得ることができるでしょう。

また、お子さまが話したことに対して、頭ごなしに否定するのではなく、まずは共感する姿勢が大切です。

「それは大変だったね」「つらかったね」といった言葉をかけることで、お子さまは自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じ、心を開きやすくなります。

家庭内でのコミュニケーションが円滑になると、お子さまは安心して悩みを打ち明けられるようになり、不登校の予防につながります。

生活リズムを整える

規則正しい生活習慣は、お子さまの心身の健康を支え、不登校を防ぐ大切な要素となります。

朝決まった時間に起床し、バランスの取れた食事を摂ることで、学校生活に適したコンディションを整えることができます。

特に、朝食をしっかり食べることで集中力が向上し、授業への意欲も高まりやすくなります。

また、夜更かしを避け、十分な睡眠を確保することも重要です。

スマートフォンやゲームを所有しているお子さまも多いかと思いますが、使用時間や家庭内でのルールを決めておけるとよいですね。

また、スムーズに就寝できるようなルーティンを取り入れるなど、生活リズムを整える工夫をしましょう。

家庭内で健康的な生活習慣を意識することで、お子さまが自然と登校に意欲的になるような環境を整えることができます。

親子の距離感を見直す

親子の距離感が適切でないと、お子さまの心理的な負担が増し、不登校の要因となることがあります。

保護者様が、お子さまが困難に直面した際に、適度な距離を保ちながらサポートできるとよいでしょう。

過保護・過干渉になりすぎると自立を妨げてしまいます。

一方で、無関心であったり距離を取りすぎたりすると、お子さまに孤立感を抱かせてしまいます。

たとえば、思春期のお子さまに学校での出来事について細かく詮索しすぎると、お子さまは「監視されている」と感じ、ストレスを抱えてしまうかもしれません。

しかし、まったく関心を示さないと、いざというときに悩みを相談しにくくなります。

親子の距離感は、保護者様から見たお子さまの性格や、年齢、発達段階などを考慮して、模索していけるとよいですね。

お子さまが自分から話しやすい環境を作り、保護者様は必要に応じて手を差し伸べる姿勢が大切です。

適度な距離を保ちつつ、信頼関係を築くことが、不登校の予防につながります。

夫婦関係を良好に保つ

家庭内の人間関係、特に夫婦関係が不安定である場合、お子さまは強い不安を抱えることがあります。

その結果、学校でのストレスと家庭内の不安が重なり、不登校につながる可能性があるのです。

夫婦喧嘩が頻繁に起こる家庭では、お子さまが家庭内の空気を読み、気を遣う場面が増えることがあります。

本来、家庭は安心できる場でなければなりません。

家庭が安心できる場でなくなると、無意識のうちにストレスが溜まり、学校に行く意欲を失ってしまいます。

夫婦間で悩みや問題を抱えることが、悪いわけではありません。

しかし、お子さまの前では冷静な話し合いを心がけ、できるだけ穏やかな家庭環境を作るよう努めましょう。

夫婦間の問題があっても、お子さまに過度な不安を与えないようにすることが、結果として不登校の予防につながります。

不登校になっている場合の対応法

不登校になっている場合の対応法

次に、現在お子さまが不登校になっている場合の対応法について解説します。

不登校の原因が家庭にあると断定できなくても、家庭環境を改善することで問題が進展する可能性があります。

不登校のお子さまへの具体的な対応は、次の4つです。

  • 登校を強要しない
  • 安心できる家庭環境を作る
  • 学校や支援機関と連携する
  • 専門家のサポートを受ける

登校を強要しない

無理に登校を促すことは、お子さまにとって大きな負担となります。

不登校の背景には、学校での人間関係や学業のプレッシャーなど、さまざまな要因があるため、まずはお子さまの気持ちを尊重することが大切です。

「どうして行けないの?」と問い詰めたり、「みんな行っているのに」と比較したりすることは、お子さまを追い詰めてしまいます。

焦らず、お子さまの心の状態を理解しながら、安心できる環境を整えることを優先しましょう。

安心できる家庭環境を作る

家庭が安心できる場所であることが、お子さまの心の回復につながります。

不登校のお子さまは、学校でのストレスや不安を抱えていることが多いため、家庭でリラックスできる環境を整えることが重要です。

保護者様が温かく見守り、話を聞いてあげることで、お子さまは安心感を得ることができます。

また、お子さまが自分と向き合って好きなことをする時間を作ったり、お手伝いといった形で家庭内での役割を与えたりすることも効果的です。

自分の存在が家庭の中で認められていると感じることで、安心感が増し、徐々に前向きな気持ちが芽生えてきます。

お子さまが安心して過ごせる環境を整えることで、再び学校へ行く意欲を持つことができるようになるでしょう。

学校と連携する

不登校問題に対応をするときは、学校との連携が欠かせません。

学校の先生やスクールカウンセラーと情報を共有し、状況に応じた対応を検討しましょう。

学校側は不登校のケースに対応するための専門知識を持っているため、適切なサポートを受けられることが期待できます。

学校との連携は、不登校によって親子が社会から孤立することを防ぐためにも必要なものです。

保護者様だけで抱え込まず、学校と協力しながら、無理のないペースでお子さまを支えることが大切です。

専門家のサポートを受ける

不登校の対応では、専門家のサポートを受けることも効果的です。

学校に在籍しているスクールカウンセラーはもちろん、児童相談所や医療機関の心理士といった専門家に相談することで、お子さまの状況に合った対応方法を知ることができます。

第三者の視点からのアドバイスを受けることで、保護者様の精神的な負担も軽減されるかもしれません。

いきなり公的機関を利用することに抵抗がある場合や、まずは軽く悩みを聞いたほしいといった場合、「不登校こころの相談室」でオンラインカウンセリングを受けることも、選択肢の一つです。

お子さまが不登校になったときは、適切なサポートを受けながら、解決を目指していきましょう。

不登校になりやすい家庭にまつわるよくある疑問

不登校になりやすい家庭にまつわるよくある疑問

最後に、お子さまの不登校や家庭の問題にまつわる、次の疑問にお答えします。

  • 子どもが不登校になりやすい母親の特徴は?
  • 不登校になりやすい子どもの性格は?
  • 不登校は親のせい?

子どもが不登校になりやすい母親の特徴は?

不登校のお子さまを持つお母様には、共通する特徴や傾向が見られることがあります。

たとえば、過干渉や過保護の傾向が強いと、お子さまが自分で考えて行動する機会が減り、困難に直面したときに適切に対処できなくなる可能性があります。

また、お母様自身が完璧主義である場合、お子さまに対しても過度な期待をかけてしまうことがあります。

失敗を許さない環境では、お子さまがプレッシャーを感じやすくなり、学校へ行くこと自体が苦痛になることがあるのです。

適度に距離を取りながら、お子さまの自主性を尊重することが、不登校を防ぐ上で重要です。

不登校になりやすい子どもの性格は?

不登校になりやすいお子さまには、いくつかの性格的な特徴が見られることがあります。

たとえば、内向的で人との関わりを避けがちな性格や、完璧主義で失敗を極端に恐れる性格のお子さまは、学校生活への不安が強く、不登校のリスクが高まることがあります。

また、感受性が強く、環境の変化に敏感なお子さまは、学校の人間関係や勉強のストレスを過度に感じ、不登校につながることがあります。

保護者様はお子さまの性格を理解し、無理に変えようとせず、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。

不登校は親のせい?

不登校の原因は複雑で、一概に親のせいとは言えません。

学校の環境や友人関係、個々の性格的な要因も大きく関係しています。

ただし、家庭環境が影響を与えることもあるため、保護者様自身が家庭環境を見直したり、適切なサポートを行ったりすることが大切です。

お子さまが安心して話せる環境を作り、一緒に解決策を考える姿勢を持つことが、不登校からの回復につながります。

不登校にまつわる家庭の悩みは「不登校こころの相談室」へ

登校にまつわる家庭の悩みは「不登校こころの相談室」へ

上記でご紹介したように、不登校になりやすい家庭には共通した特徴が見られることがあります。

思い当たる部分があったり、家庭環境に問題があると感じたりする場合、まずは保護者様が改善に向けて一歩踏み出せるとよいですね。

不登校になりやすい家庭の問題は非常に繊細で、特に家族間の関係に問題がある場合、家庭内で悩みを吐き出すことが難しいかもしれません。

「まずは、夫婦関係を見直したいけど誰に相談したらいいかわからない」

「親子の距離感がわからない」

このようなときは、「不登校こころの相談室」にご相談ください。

臨床心理士や公認心理師が、家庭にとって最善な解決策を一緒に探していきます。

家庭内で抱え込むのではなく、ぜひ専門的な支援を頼ってみてくださいね。

執筆:maple

フリーランスライター。大学院での研究や心理士としての勤務経験、自身の子育て経験をもとに、教育やメンタルヘルスに関する記事を多数執筆。専門分野は、心理療法と精神疾患。最新のデータや論文などの一次情報を正しく取り扱うこと、読者に安心感を届けることをモットーに活動中。

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