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スクールカウンセラーが意味ないと感じる3つの理由

お子さまの不登校についてスクールカウンセラーに相談しても、何も解決せず「意味がなかった」と感じる保護者様は少なくありません。なぜなら、多くの保護者様はスクールカウンセラーの役割を理解しておらず、期待していた答えを得られないからです。
その結果、相談してもお子さまの状況は何も変わらず「意味がなかった」と落胆してしまいます。ここでは、なぜスクールカウンセラーは「意味がない」と感じるのか、3つの主な理由を詳しく解説します。
①相談しても解決しない場合が多い
スクールカウンセラーに相談しても「それは大変ですね」「つらいですね」と共感されるだけで、具体的な解決策を得られないケースがほとんどです。学校での対応策や家庭での具体的なアドバイスを求めているにもかかわらず、実際には以下のように一般的な話に終始してしまうケースが少なくありません。
- お子さまの気持ちを尊重しましょう
- 無理に登校を促さず、見守りましょう
- 好きなことをさせてあげてください
このように、保護者様が求めている「明確な行動指針」が得られないケースが多いので、不満に思ってしまいます。何度相談しても状況が変わらないので「意味がない」と感じてしまう保護者様もいるでしょう。
カウンセラーの対応は、基本的に「傾聴」が中心です。お子さまの不登校の問題をすぐに解決することを目的としていません。
お子さまの不登校の解決を急ぐ保護者様にとっては、スクールカウンセラーへの相談は「意味がない」ように感じてしまいます。
②話を聞くだけで終わるケースがある
カウンセラーの大きな役割は、悩んでいる方の話を聴き、気持ちを整理する手助けをすることです。具体的な対策や行動を求める相談者にとっては「ただ頷いて共感されるだけで、何も解決しない」と感じるのも無理はありません。
また、スクールカウンセラーは、カウンセラー個人の経験やスキルによって対応が大きく異なる場合もあります。親身に対応し、適切なアドバイスをくれるカウンセラーもいれば、マニュアル通りの対応しかできない方もいるでしょう。
学校によっては、スクールカウンセラーの勤務日が少ないため、十分な時間を取ってもらえないケースもあるります。このように、スクールカウンセラーの質や対応の違いが「意味がない」と感じる一因になっていると考えられます。
③相性が合わないと相談しづらい
スクールカウンセラーは、すべての保護者様と相性が合うわけではありません。そのため、話しづらい雰囲気だったり予想外の意見を受けたりすると、相談自体にストレスを感じる方もいるでしょう。
相談をしても「本当にわかってもらえているのか?」と不安に感じる場合もあるかもしれません。表面的に話を聞いているだけで、深く理解してくれていない気がしたり、一般論ばかりで、自分の悩みに寄り添ってもらえていないと感じたりする場合は話しづらくなるでしょう。
このように、スクールカウンセラーとの相性が悪い場合は、相談しても余計にストレスが溜まり「意味がない」と判断する方もいます。
スクールカウンセラーは本当に意味ないのか?

保護者様のなかには、スクールカウンセラーに相談する意味について疑問を持っているかもしれません。しかし、スクールカウンセラーの役割を正しく理解すれば、お子さまの不登校に対してより効果的なサポートを受けられる可能性があります。
ここからは、スクールカウンセラーの基本的な役割や相談するメリットについてお伝えします。
スクールカウンセラーの基本的な役割
文部科学省が明記するスクールカウンセラーの主な職務内容は以下の通りです。
- 児童生徒へのカウンセリング
- 教職員に対する助言・研修
- 保護者に対する助言・援助
- ストレスチェックや授業観察等の予防的対応
- 事件・事故等の緊急対応における児童生徒等の心のケア
大きな役割としては、学校に在籍する生徒の心理的支援といえるでしょう。スクールカウンセラーは、学校生活での不安や悩み、友人関係の問題、家庭での悩みなど、さまざまな相談に対応します。
専門的な知識と経験を活かし、学校生活に悩むお子さまが自分の気持ちを整理し、問題解決の糸口を見つけられるよう支援してくれるでしょう。
また、お子さまだけではなく、不登校の子どもを持つ保護者様の悩みも聞きます。カウンセラーによっては、単なる傾聴だけでなく具体的な対処方法をアドバイスする場合もあるかもしれません。
スクールカウンセラーは、必ずしも不登校の解決まで導く存在ではなく、お子さまを取り巻く環境の改善に貢献する役割を担う存在といえるでしょう。
ほかにも、スクールカウンセラーには、教職員に対する講話や学校の教育相談体制をコーディネートする役割があります。
スクールカウンセラーに相談するメリット
では、スクールカウンセラーに相談するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?スクールカウンセラーは、心理学や教育学の知識を持つ専門家でもあるので、以下のようなメリットがあります。
- 専門的なサポートを受けられる:
スクールカウンセラーは、心理学やカウンセリングの専門知識を持つため、お子さまの気持ちや行動の背景を理解し、適切に助言してくれます。不登校や対人関係の悩み、学習に関する不安など、幅広い相談が可能です。
- 安心して話せる環境を提供してくれる:
スクールカウンセラーには 守秘義務 があり、相談内容を無断で口外することはありません。お子さまや保護者様のプライバシーが守られるため、安心して悩みを打ち明けられます。ただし、お子さまの安全が脅かされる場合など、特別な状況では関係機関と情報を共有するケースもあります。
- 問題の早期発見と対応が期待できる:
スクールカウンセラーは、生徒の変化に気づいたら、問題が深刻化する前に対応を考えます。例えば、不登校の兆候が見られた際は、早い段階で家庭と連携し、適切なサポートを検討してくれるでしょう。
- 学校との連携を促進できる:
スクールカウンセラーは、担任の先生や学年主任と連携しながら、お子さまが学校でより過ごしやすくなるようサポートします。必要に応じて、学校の対応を調整してもらえるため、親だけで学校と交渉するよりもスムーズに話が進むケースがあります。
- 相談内容に応じて、学校側へ改善を働きかけてくれる:
お子さまが学校で困っている場合、スクールカウンセラーを通じて学校側に改善を求められます。たとえば「クラスの雰囲気がつらい」「席替えをしたい」などの要望を、直接担任に伝えにくいとき、スクールカウンセラーが仲介役となり学校との調整をしてくれる場合もあります。
- 費用がかからず気軽に相談できる:
民間のカウンセリング機関や医療機関に相談すると費用がかかります。しかし、スクールカウンセラーへの相談は無料です。経済的な負担を気にせず、専門的な相談ができるため、気軽に利用しやすいのは大きなメリットといえるでしょう。
このように、スクールカウンセラーは、お子さまや保護者様にとって身近な相談相手になり得る存在といえます。
学校によってスクールカウンセラーの対応に違いがある
スクールカウンセラーは、配置される学校によって勤務日数や時間の違いがあります。積極的に教室の様子をみて生徒に声をかけるカウンセラーもいれば、相談室で待機して来室する生徒に対応する方もいるでしょう。
公立に勤務するスクールカウンセラーは、週1〜2日程度の勤務が多く、緊急時の即時対応が難しいケースもあるかもしれません。
スクールカウンセラーは、生徒の心理的支援において重要な役割を果たす一方で、すべての問題を解決してくれるわけではありません。相談するときは「どんなことを相談したいのか」「どこまでのサポートを求めるのか」を整理したうえで活用するといいでしょう。
スクールカウンセラーを効果的に活用する方法

スクールカウンセラーに相談したものの「あまり意味がなかった」と感じる方がいる一方で、うまく活用できている方もいます。その違いは、スクールカウンセラーの役割を正しく理解しているかどうかという点です。
スクールカウンセラーは、お子さまや保護者様の悩みを整理し、心理的なサポートを提供する専門家です。しかし、すべての問題を解決できるわけではありません。医療的な診断や具体的な解決策の提供はできないため、期待し過ぎると「思ったようなサポートが得られなかった」と感じる場合もあります。
ここでは、スクールカウンセラーを効果的に活用するための具体的な方法を詳しくお伝えします。
相談の目的を明確にする
スクールカウンセラーに相談する際「何を相談すればいいのかわからない」「とにかく何とかしてもらいたい」と漠然とした状態で臨んでいませんか?そうすると、期待するような対応が得られない場合があります。
スクールカウンセラーは、お子さまや保護者様の話を聞きながら状況を整理し、必要に応じて必要な助言はしますが、具体的な解決策を提示する立場ではありません。そのため、相談する保護者様が事前に相談内容を整理しておくのが重要です。
相談内容を整理するポイントは以下の通りです。
- 困っている内容を明確にする:
「朝になると腹痛を訴え、学校に行きたがらない」
「登校してもすぐに保健室に行き、授業を受けられない」
- 現状を具体的に伝える:
「家庭では明るく過ごしているが、学校の話題になると黙ってしまう」
「学校では普通に過ごしているように見えるが、帰宅後は疲れ果てている」
- 希望するサポートを考える:
「学校とどう連携すればよいか知りたい」
「家庭での対応方法を具体的に教えてほしい」
このように、具体的に内容を整理しておくと、スクールカウンセラーも適切な対応がしやすいでしょう。
スクールカウンセラーができることを理解する
スクールカウンセラーの役割を正しく理解すれば「期待していたのに、あまり役に立たなかった」「相談しても意味がなかった」と感じるリスクを減らせます。
スクールカウンセラーが、できることとできないことは以下の通りです。
できること | できないこと |
・お子さまの気持ちを整理するサポート ・保護者様の悩みを聞き、助言する ・学校と連携し、環境を調整する手助け ・必要に応じて、外部の専門機関を紹介 | ・医療的な診断や治療 ・すべての問題を即座に解決すること ・学校の方針を変えること |
スクールカウンセラーに過度な期待をせず、できる範囲で活用するのが重要です。お子さまの状態によっては、スクールカウンセラーではなく、専門的な支援が必要な場合もあります。以下の様子がみられる場合は、専門機関での受診を検討してください。
- 強い不安やうつ症状を訴えている
- 家庭でも会話が減り部屋に閉じこもる
- 自傷行為や過度なストレスの兆候がある
公認心理師や臨床心理士によるカウンセリングでは、より専門的な視点からのアプローチが可能です。
合わないと感じたら活用しない
スクールカウンセラーも人間であり、相談者との相性があります。話しづらい、価値観が合わないと感じた場合、無理に相談を続ける必要はありません。学校に相談し、カウンセラーの変更が可能か確認するのも1つの方法です。
また、スクールカウンセラーが十分に対応できない場合、学校外の相談窓口である教育センターを併用するとお子さまに合ったサポートが見つかるかもしれません。教育センターは、各自治体が設置している教育機関の1つで、学校生活や学習、発達、心理的な問題について相談できる施設です。
不登校のほか、学習の遅れ、発達障害の疑いなど、子どもに関するさまざまな問題について、専門家が対応します。
ほかにも、民間のカウンセリングサポートを利用するのもいいでしょう。民間のカウンセリングを利用する場合は費用がかかるものの、以下のメリットがあります。
- より専門的な対応を受けられる
- 相性のよいカウンセラーを選べる
- 学校の影響を受けずに相談できる
公認心理師や臨床心理士が対応するカウンセリング機関であれば、より丁寧なサポートを受けられます。「不登校こころの相談室」では、保護者様が抱える感情や悩みを整理し、お子さまの不登校の背景にある根本的な原因と向き合うサポートを受けられるでしょう。
最後に | 不登校のお子さまと向き合うために専門家のサポートを受けませんか?

お子さまの不登校にどう対応すればよいのか悩んでいる保護者様は多いのではないでしょうか?
「スクールカウンセラーに相談したけれど、解決策が見つからなかった」
「子どもが何を考えているのか分からず、不安ばかりが募る」
このように感じている方も少なくありません。
不登校の問題は保護者様だけで何とかしとうとしても、なかなか上手く解決へ導けない現状があります。専門家のサポートを受ければ、お子さまの気持ちを深く理解でき、家庭での適切な対応策が得られるでしょう。
不登校になる要因はさまざまで、単なる「学校に行きたくない」といった気持ちではなく、心の中で整理できない悩みや不安が積み重なっているもの。保護者様がどれだけ気を配っても、お子さま自身が言葉にできない問題が隠れている場合もあります。
そのため、不登校を根本から解決に導くには、専門家の視点から適切なアプローチが必要なのです。また、不登校のお子さまを支える保護者様自身も、ご自分では気づかないうちに精神的負担を抱えています。
「このままで大丈夫なのか」
「子どもに何をしてあげられるのか」
と悩み続けるうちに、保護者様が疲れてしまうケースも多くあります。不登校のお子さまだけでなく、お子さまを支え見守る保護者様の心のケアも大切なのです。
「不登校こころの相談室」は、不登校の専門カウンセラーがオンラインでサポートを提供するサービスです。臨床心理士や公認心理師といった国家資格を持つカウンセラーが、お子さまの状況を丁寧にヒアリングし、適切にアドバイスします。
スクールカウンセラーとは異なり、時間の制限がなくじっくりと相談できるため「もっと深く話を聞いてほしい」「具体的な対応方法を知りたい」といった保護者様の助けになるでしょう。
どうか、お一人で悩まないでください。
「誰かに話を聞いてもらいたい」
「子どもの気持ちを知るために、専門的なアドバイスがほしい」
と感じたら、ぜひ「不登校こころの相談室」に相談してください。