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不登校の子どもに父親が無関心になる理由

不登校のお子さまに対して父親が無関心に見えるのには、いくつかの理由があります。「関心がない」のではなく、「どう関わればいいかわからない」「関わる方法を知らない」という場合も少なくありません。
ここでは、なぜ父親が不登校に無関心なのか、その理由を見ていきます。
仕事を理由に関わりを避けている
多くの父親は、「仕事が忙しい」を理由に不登校のお子さまとの関わりを積極的に持たない場合があります。平日は朝早く出勤し、帰宅は夜遅く週末も疲れて寝ている。こうした生活パターンが、不登校への無関心につながっているのかもしれません。
しかし、本当に時間がないのでしょうか?仕事が忙しいのは事実かもしれません。しかし、「忙しい」を免罪符にして、関わりを避けているケースもあるでしょう。
また、「自分は家族のために働いている」「経済的な責任を果たしているから十分だ」と考える父親もいます。お金を稼ぐのが父親の役割であり、子育ては母親の役割といった固定観念が根強く残っていると考えられます。
不登校への理解不足
父親がお子さまの不登校に無関心に見えるもう1つの大きな理由は、不登校への理解不足です。「学校くらい行けるだろう」「自分の時代はどんなに嫌でも学校に行った」という価値観を持つ父親は少なくありません。
不登校を「甘え」「怠け」と捉えている父親もいます。「少し休んだらまた学校に行けるはず」と、不登校の深刻さを理解していないのです。
特に、父親自身が苦労して学校に通った経験を持つ場合、「自分だってつらかったけど頑張った」「なぜうちの子は頑張れないんだ」と考えてしまいます。この世代間のギャップが、不登校への無関心につながっていると考えられます。
また、目に見える病気や怪我なら理解できても、心の不調や発達特性といった見えない問題を理解するのが難しい方もいるでしょう。「気持ちの持ちようだ」「やる気があれば何でもできる」といった精神論で片付けようとする父親もいるのではないでしょうか。
父親の無関心を含め、不登校になりやすい家庭環境の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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父親の無関心が不登校の子どもに与える影響

父親の無関心は、お子さま、母親、そして家族全体に深刻な影響を与えます。「父親が無関心でも大丈夫」と思っていても、実際にはお子さまの心に大きな傷を残している可能性があります。
ここでは、不登校に対する父親の無関心がもたらす影響について具体的に見ていきます。
母親の負担が増大する
父親が無関心な場合、不登校への対応はすべて母親一人の肩にのしかかります。朝、お子さまが学校に行きたくないと泣いていても、母親だけが対応するケースが多いかもしれません。学校との連絡、スクールカウンセラーとの面談などすべて母親の負担になります。
これは、想像以上に疲れるものです。毎日、お子さまの様子を気にしながら家事や仕事をこなし、学校からの連絡に対応してお子さまの気持ちに寄り添い続ける… 父親に相談しても具体的な協力は得られません。
このような状況では、母親は孤立し孤独感が増します。「誰も自分のつらさをわかってくれない」といった思いが、日に日に強くなっていくでしょう。仕事が休みの日も「疲れているから」と、父親が関わろうとしない状況が続くと、母親の心は限界に達します。
父親が無関心を貫いていると、母親は心身ともに疲弊してしまいます。母親の負担が増大すると、イライラして感情的になりお子さまとの関係にも悪影響が出ます。
父親の無関心によって母親が一人で悩みを抱え込み、メンタル崩壊しそうな状況にある方はこちらの記事も参考にしてください。
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子どもの自己肯定感が低下する
父親の無関心によって、お子さまの自己肯定感が大きく低下することも考えられます。不登校になったお子さまは、すでに「学校に行けない自分はダメだ」という思いを抱えています。そこに、父親の無関心が加わると、「父親にも見捨てられた」と感じてしまうでしょう。
お子さまは、父親に認められたいと強く願っているものです。父親は母親とは違う存在として、お子さまの心の中で大きな位置を占めています。その父親が自分に関心を示さない態度は、「自分には価値がない」「父親に愛されていない」と感じる原因になります。お子さまにとって、父親の存在は思っている以上に大きいものかもしれません。
また、父親が母親を責めている姿を見ると、お子さまは自分のせいで両親の関係が悪化していると感じます。「自分がちゃんと学校に行けていれば、お父さんとお母さんは喧嘩しなかったのに」と、自分を責める気持ちが強くなるでしょう。
自己肯定感が低下すると、お子さまは「どうせ自分なんて」「何をやってもダメだ」といった思考に陥ります。新しいことに挑戦する意欲を失い「学校に戻りたい」気持ちも持てなくなってしまうのです。
父親に不登校への関心を持ってもらう方法

父親に不登校への関心を持ってもらうためには、責めるのではなく、父親が関わりやすい環境を作るのも大切です。父親にも何かしたい気持ちはあるはずです。
ここでは、父親の協力を得るための具体的な方法をお伝えします。
父親を責めずに現状を共有する
父親に関心を持ってもらうための第一歩は、責めずに現状を共有することです。「どうしてあなたは何もしてくれないの!」「仕事ばかりで子どものことを考えていない!」と責めると、父親は不登校に対して関心を持つどころか心を閉ざしてしまいます。
まずは、感情的にならずに冷静に話せるように気持ちを整えましょう。そのうえで「少し話したいことがある」「困っている」「助けてほしい」と素直に伝える姿勢が大切です。「一人では限界を感じている」「あなたの力が必要」と、父親の存在の大切さを伝えます。
人は、責められていると感じると防衛的になりますが、頼られていると感じると協力したい気持ちが芽生えるものです。
お子さまの様子を具体的に説明することも重要です。「最近、部屋から出ない時間が増えている」「食事の量が減っている」「夜中まで起きている」など、客観的な事実を伝えてください。抽象的な言葉ではなく、具体的な行動や変化を伝えると、父親も状況を理解しやすくなります。
また、学校や専門家からの情報共有も大切です。担任の先生からの連絡内容、スクールカウンセラーからのアドバイスなど、母親だけの意見ではない第三者からの情報は父親の理解を深めます。
さらに、父親の不安や困惑にも耳を傾ける姿勢が大切です。父親も、実は不安を抱えているかもしれません。「どう関わればいいかわからない」「子どもを傷つけるかもしれない」などの気持ちを持っている可能性があります。
母親が一方的に話すのではなく、父親の気持ちも聞く対話の時間を持つことが、協力を得る第一歩といえるでしょう。
父親ができる具体的な役割を提案する
父親に関心を持ってもらうためには、「何でもいいから協力して」ではなく、具体的な関わり方を提案することが重要です。しかし、ここで大切なのは、お子さまが嫌がることを押し付けないことです。
多くの父親は、実は不登校のお子さまに関心を持っています。「何とかしたい」「力になりたい」という思いはあるものです。しかし、「どうやって我が子の心に寄り添えばいいのか」がわからず、結果として何もできずにいる方もいるでしょう。
思春期の不登校のお子さまに、「一緒にご飯を食べよう」「勉強を教えるよ」「進路について話そう」と声をかけても、「うざい」「放っておいて」とお子さまは拒絶するかもしれません。特に、不登校になったばかりの時期や、心が不安定な時期に、父親が急に関わろうとすると警戒してしまいます。
では、父親はどう関わればいいのでしょうか?
まず大切なのは、無理に関わろうとしないことです。「何かしなければ」と焦って声をかけたり、一緒に何かをしようと提案したりすると、お子さまはプレッシャーをかけられていると感じてしまいます。
お子さまが部屋から出てきたときに「おはよう」と自然に声をかけるなど、何気ない存在感がお子さまに安心感を与えます。
また、お子さまの話を聞く姿勢を見せるのも大切です。お子さまが何か話してきたとき、アドバイスや説教は必要ありません。ただ聞くだけでいいのです。父親が自分の話を否定せずに聞いてくれると感じれば、お子さまは少しずつ心を開いていきます。
父親ならではの関わり方としては、母親とは違う距離感を保つことかもしれません。母親は毎日お子さまと向き合い、細かく気を配ります。一方、父親は少し距離を置いて、お子さまの様子を見守る。この距離感が、お子さまにとって楽な場合もあるのです。
父親なりの関わり方を尊重することは大切です。母親のように細やかに関われなくても、父親らしい距離感で見守る姿勢でいれば、それで十分な場合もあるでしょう。
最後に|父親と協力して不登校に向き合うために

父親が不登校のお子さまに無関心になるのは、仕事の忙しさや不登校への理解不足、関わり方がわからないといった理由があります。決して「関心がない」わけではなく、「どう関わればいいかわからない」父親も多いのです。
父親の無関心を責めるのではなく、現状を冷静に共有していけば父親の関心は自然に高まっていきます。そうはいっても、父親がお子さまの不登校に無関心で一人で抱え込み悩んでいる方は、「不登校こころの相談室」にご相談ください。
「不登校こころの相談室」のAI診断(無料)では、お子さまの状況や保護者様が抱えている悩みを入力するだけで、必要なサポートについてのヒントが得られます。客観的な診断結果を見ると、父親も状況の深刻さを実感できるかもしれません。
AI診断の結果をもとに、必要に応じて臨床心理士や公認心理師との個別相談に進むことも可能です。「夫婦で不登校にどう対応すればいいか」「父親にどう関わってもらうといいか」など、経験豊富な専門家が丁寧にお伝えします。















