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不登校と引きこもりの違い
不登校や引きこもりは、いずれもお子さまが学校や社会との接点を持ちづらくなる状況を指します。お子さまがこのような状況になると、保護者様には大きな負担がのしかかり家庭に深い影響を与えるでしょう。
ここでは、不登校と引きこもりについてそれぞれ詳しく解説します。
不登校とは?学校に行けない子どもの状況
不登校は、文部科学省の定義によると「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」を指します。
日本では不登校の児童生徒数が増加傾向にあり、2023年度には全国の小中学生の不登校の人数は34万人以上に達しました。この数値は過去最多を更新しています。
参考:不登校の現状に関する認識
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
不登校の原因は、1つではありません。以下の要因が絡み合い、お子さまの心が疲弊した結果、学校へ行く意欲がなくなっていると考えられます。
1.学業のプレッシャーや授業についていけない苦しさ
「勉強が分からない」「授業についていけない」状況が、不登校のきっかけになる場合があります。特に、学年が上がるにつれて学業に対する負担感が強まるケースが多いでしょう。テストの成績が思うように伸びず、自己否定感を抱くお子さまも少なくありません。また、進学に向けた塾や補習などの追加学習がさらに負担となり、心身ともに疲れ切ってしまう場合があります。
2.友人関係やいじめなど人間関係の問題
学校内での友人関係がうまくいかない、いじめを受けているなどの状況は、不登校の引き金になり得ます。こうした経験があると、学校はお子さまにとって安心できる場所にはなりません。同調圧力の強い集団生活のなかで「孤立している」と感じると、次第に学校そのものが怖い場所と思ってしまう場合もあります。
3.家庭環境や親子関係の影響
家庭でのストレスや親子関係の悪化が、不登校を助長するケースもあります。たとえば、成績や進路に関する親からのプレッシャーや、家族間でのコミュニケーション不足が背景にある場合も考えられるでしょう。さらに、過干渉や過保護がお子さまの自立心を阻害し、学校生活への意欲を低下させる要因となる場合もあります。
不登校は単なる怠けではなく、お子さまの心が助けを求めるサインです。心理的な負担や環境的な問題が現れた結果であり、その背景には多様な要因が絡んでいるといえるでしょう。保護者や学校がそのサインを見逃さず、適切に対応するのが回復への第1歩です。
引きこもりとは?家庭内に留まる状態の特徴
一方、引きこもりは厚生労働省によると「様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態のこと」を指します。
引きこもりは10代から30代に多いとされています。しかし、40代以降の中高年の引きこもりも増加している現状があります。
引きこもりの背景には、さまざまな社会的要因や心理的要因が含まれています。
1.社会への不安や自己評価の低下
お子さまが「自分は社会でうまくやっていけない」と必要以上に強く感じているのが、引きこもりの一因です。特に、過去の失敗経験や挫折で心に深い傷を残している場合、社会復帰への意欲は低くなっているでしょう。このような状況では「また失敗するのではないか」「自分には能力がない」といった否定的な考えに支配され、社会との接触を避けようとする傾向が強まります。
2.孤立感や社会との断絶
友人や近所との交流が少ない環境にいると、家庭の外に対する関心や関わりが薄れ、結果的に引きこもりが長期化する場合があります。特に、家族以外の人間関係が希薄になると、孤立感がさらに深まり「自分は社会に必要とされていない」といった思いが強まります。これにより、外出がますます困難になる負の連鎖が生じるのです。
3.経済的な制約や家庭環境の影響
家庭の経済状況や過保護な環境も、引きこもりを長引かせる要因です。家庭環境が、お子さまの自立心を阻害しているケースも少なくありません。たとえば、家族が過剰に保護し「外に出なくても生活できる」といった状況を無意識に作り出してしまう場合、引きこもりが長期化する可能性もあります。また、経済的な制約により外部の支援サービスを利用しづらい家庭では、問題の解決が遅れる可能性があります。
引きこもりは、不登校よりも社会全体とのつながりが希薄になりがちです。また、不登校が長期化すると引きこもりに移行する場合もあり、この2つの状態は密接に関連していると考えられます。引きこもりの問題は、本人の意欲だけでなく、家庭や社会全体が抱える課題として向き合う姿勢も必要です。
不登校から引きこもりになるケース
不登校の状態が長期化すると、次第に外出そのものが難しくなり引きこもりへと移行するケースも少なくありません。
不登校から引きこもりに至る背景には、以下のような要因が影響していると考えられます。
1.対人関係の不安
人との関わりに対する恐怖や過去の人間関係での失敗が、外出を阻む要因となるケースがあります。特に、信頼していた友人や教師とのトラブルがあった場合、人間関係そのものに対する警戒心が強まり、新たな人間関係を築く意欲が失われてしまう場合があるでしょう。
2.ネット依存
オンライン上での活動に過剰に依存し、現実世界の交流や活動への意欲が低下する場合があります。ネット上では自分を自由に表現できるほか、現実世界での人間関係の難しさや不安を避けられます。そのため、次第にインターネットが唯一の居場所となってしまうケースも少なくありません。
3.ストレスによる不安
学校や家庭でのストレスが心身に影響を及ぼし、外出や社会との接触を避ける行動へとつながるケースがあります。ストレスが長期間続くと、体調不良や強い不安感を引き起こし、外出を試みてもすぐに引き返してしまうでしょう。
4.無気力感
目標を見失ったり、やりたいことが見つからなかったりの状態が続くと、社会との関わりを持とうとする意欲が失われると考えられます。無気力感が長期化すると、自分の将来に対して希望を持てなくなるお子さまも多いでしょう。
5.いじめ
過去のいじめの経験がトラウマとなり、外の世界との関わりに対して強い恐怖を抱く場合があります。特に、いじめによる孤立感や自己肯定感の低下は、不登校の状態から引きこもりへの移行を促進する大きな要因となり得ます。
不登校から引きこもりに移行するケースは、お子さまへの対応や保護者様に対する支援の遅れもあるかもしれません。
学校での問題が解決しないまま家庭で過ごす期間が長くなると、学校生活だけでなく社会全般への興味や関心が薄れてしまう可能性があります。
また、保護者様に適切な支援がないと、親子で孤独感が深まり、ますます状況が悪化するリスクもあります。早期に専門家や支援機関と連携し、包括的なサポートの提供が必要です。
不登校や引きこもりが生じる主な原因
不登校や引きこもりは、多くの場合、複数の要因が絡み合って生じます。根本からの解決を目指すためには、それらの原因を理解して適切に対応する必要があるでしょう。
ここでは、主に3つの観点から不登校や引きこもりが生じる原因をお伝えします。
①学業や友人関係が原因の場合
学校での学業や友人関係の問題は、頻繁に挙げられる不登校や引きこもりの原因の1つです。お子さまが学校環境に馴染めずストレスを感じ続けていると、登校への意欲は徐々に失われていきます。
まず、学業のプレッシャーは多くのお子さまにとって大きな負担です。授業のスピードについていけない、テストで良い結果を出せないといった状況が繰り返されると「自分にはできない」といった自己否定感が生まれます。この感覚が強くなると、学校全体が苦しい場所に感じられ不登校の引き金になってしまうでしょう。
また、友人関係やいじめも重要な要因です。特に小中学生の段階では、周囲との協調性や「仲間外れにならないこと」が重要視される傾向があります。些細なきっかけでいじめが始まったりグループ内で孤立したりすると、学校での人間関係が大きなストレスになるのは想像できます。このような環境を避けるため、不登校につながるケースは少なくありません。
友人と価値観が合わない、コミュニケーションが苦手などの理由で、学校に自分の居場所を見つけられないお子さまもいます。こうした孤立感も「学校に行っても意味がない」という思いを強めてしまうでしょう。
②家庭環境や親子関係が影響する場合
家庭環境や親子関係も、不登校や引きこもりの要因として見逃せません。お子さまが最も安心できるはずの家庭でストレスが積み重なると、社会で困難を乗り越える力が弱まり、不登校や引きこもりのきっかけとなる場合があります。
たとえば、保護者様の「良い学校に進学してほしい」「テストで高得点を取ってほしい」といった期待は、お子さまにとってプレッシャーになる可能性があります。親の期待に応えられず、自信を失い「どうせやっても無理だ」と思い込むお子さまもいるでしょう。
また、家庭内での口論や緊張感のある雰囲気は、お子さまに大きな不安をもたらします。特に、低学年のお子さまにとって両親の不和や家族間のコミュニケーション不足は、精神面で不安定になるケースがあります。
③子どもの心理的要因や特性
お子さま自身の特性も、不登校や引きこもりと密接に関係しているといえるでしょう。特に、発達障害の問題が背景にある場合、まわりにいる大人はこれを理解し、適切に対応する姿勢が求められます。
発達障害を持つお子さまは、集団行動やコミュニケーションが苦手な傾向にあります。たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)のお子さまは、相手の気持ちを読み取るのを難しく感じるときがあるでしょう。その結果、学校での居場所を見つけられなくなるといったケースが生じます。
また、注意欠陥・多動性障害(ADHD)のお子さまは、授業中に集中が続かず先生から注意される場合があります。そのような状況が、学校嫌いにつながってしまうケースもあるでしょう。
さらに、メンタルヘルスの問題も不登校や引きこもりの要因になり得ます。うつ症状や不安障害を抱えるお子さまにとって、学校や社会との接触は精神的に大きな負担です。心理的要因が絡む場合、不登校や引きこもりは本人だけの問題ではありません。保護者様を含む、周囲の正しい理解と適切な対応が不可欠です。
不登校・引きこもりの親ができる対応とは?
不登校や引きこもりのお子さまへの対応には、保護者様の適切なサポートが重要です。しかし、どのような対応が適切か分からず、悩む保護者様も少なくありません。
ここでは、具体的にどのように接すればよいのか解説します。
子どもを責めない
お子さまが不登校や引きこもりの状況になると、多くの保護者様は「なぜ学校に行かないの?」と質問し、理由を聞き出そうとします。しかし、これといった理由はわからない場合が多いのではないでしょうか。
はっきりした理由がないため、保護者様はお子さまに「みんな通っているのだから」といった言葉で登校を促してしまいます。しかし、お子さまにとってこのような何気ない言葉は「家族にも迷惑をかけている」「自分はダメな人間だ」と自己否定を強める要因になってしまいます。
お子さまを責めないためには、まず「学校に行くべきだ」という保護者様の固定観念の見直しが大切です。お子さまが学校に行けないのは、決して怠けているわけではなく、何らかの理由で心と身体が休息を求めている状態なのです。
その背景に気づき、理解しようとする姿勢が、お子さまに少しずつ安心感を与えます。不登校や引きこもりのお子さまとのコミュニケーションでは、安心感を与えることを最優先に考えましょう。
「今は学校に行かなくても大丈夫」「家族はあなたの味方だよ」といった言葉が、お子さまにとって心強い支えになるはずです。保護者様が穏やかに接すれば、お子さまは自分の気持ちを整理して少しずつ心を開いていきます。
子どもと向き合う際のポイント
お子さまと向き合う際は「話を最後まで聴く」姿勢を意識しましょう。保護者様としては、早く状況を改善したいと願うあまり、アドバイスや解決策を話したくなるかもしれません。
しかし、お子さまの立場になると「親は、自分の気持ちをわかろうとしてくれない」と感じてしまいます。お子さまの話は最後まで遮らずに聴き、共感する気持ちを忘れずに接してあげるといいでしょう。
また、正論を突きつけるのは避けてください。「学校に行かないと将来困る」「努力しないと何も始まらない」といった言葉は、お子さまを精神的に追い詰めてしまいます。それらの言葉を受けて、お子さまはますます心を閉ざしてしまいます。たとえ正しい内容であっても、心が不安定な状況にいるお子さまは正論を受け入れられません。
さらに、無理に再登校を促さないのも重要です。学校復帰を急かされると、お子さまは「自分の状態を理解してもらえていない」と感じてしまいます。保護者様は、焦らず本人が動き出すタイミングを待つ姿勢でいましょう。
お子さまの心の状態が落ち着いてきたら、フリースクールなどの学校以外の選択肢も含めた学び場を検討するのも1つの方法です。
家庭環境を見直す
お子さまが安心して過ごせる家庭環境を整えるのも、不登校や引きこもりへの対応においては欠かせません。家庭が安全で居心地のよい場所になると、お子さまの心は少しずつ元気を取り戻します。まずは、家族関係を良好に保つよう心がけましょう。
また、日常のなかで、お子さまとの会話が、確認、提案、命令ばかりになっていませんか?一方通行のコミュニケーションでは、親子の信頼関係を築くのは難しいものです。反抗期や思春期のお子さまとの会話がスムーズにいかないケースもあるでしょう。しかし、そのようなときでも無関心になるのではなく、寄り添う姿勢を持ち続けるのが大切です。
家庭が穏やかであるためには、保護者様ご自身の心身の健康が基盤となります。お子さまに対してイライラしてしまうのは、保護者様がストレスを抱え、心の状態が落ち着いていないからです。自身のストレスケアも忘れず心の余裕が持てると、お子さまと冷静に接することができるようになるでしょう。
不登校・引きこもりの専門家や支援機関を活用
お子さまの不登校や引きこもりに対応する際、保護者様だけで解決するのが難しい場合もあります。そのようなときには、学校や専門家、地域の支援サービスの活用を検討するのも大切です。
ここでは、学校や外部のサポートを活用するべき理由や方法についてくわしく解説します。
学校との連携
不登校や引きこもりのお子さまを支援する際、学校との連携は非常に重要です。その理由は以下の通りです。
1.お子さまの状況把握
学校はお子さまの日常生活や学習状況、友人関係などを最も身近で観察できる立場です。教師たちはお子さまの変化に気づきやすく、不登校や引きこもりの兆候を早期に発見できる可能性が高いでしょう。
2.包括的な支援体制の構築
学校は単なる学習の場ではなく、お子さまの成長を多面的に支援する役割を担っています。教育支援センターや外部の専門機関との連携で、学習面だけでなく心理面や社会性の発達など、総合的なサポートが可能です。
3.学校復帰への橋渡し
最終的な目標が学校復帰である場合、学校との連携は不可欠でしょう。段階的な登校や教室への復帰プランを立てる際、学校の協力があればスムーズに復帰できます。また、必要に応じて卒業後の進路の相談も可能です。
4.保護者支援
不登校や引きこもりのお子さまを持つ保護者様も、多くの不安や悩みを抱えています。学校に在籍するスクールカウンセラーや担任との面談は保護者様の心配や不安を軽減してくれるでしょう。
このように、学校との連携はお子さまの現状理解から進路相談、保護者様のサポートまで、幅広い面で協力を得られます。
心理カウンセラーや医療機関への相談
心理カウンセラーや医療機関への相談が必要な理由は以下の通りです。
1.専門的な視点からの評価
心の専門家は、保護者様では気づきにくいお子さまの心理的な問題や課題を明らかにできます。専門的な知識と経験を活かし、お子さまの状況を客観的に見て適切な対応方法を提案してくれるでしょう。
2.心の負担軽減
心理カウンセラーは、お子さまの不安や悩みに寄り添い、心の負担を軽減する役割を果たします。面談や対話を通じて問題を整理し、不登校や引きこもりの解決の糸口を見つける手助けをします。
3.親子間コミュニケーションの改善
カウンセラーは保護者様をサポートするため、親子間のコミュニケーション方法について助言してくれます。これは、家庭内でのお子さまへの接し方を見直すきっかけとなるでしょう。
4.専門的な治療の提供
うつ症状や強い不安感などが見られる場合、心療内科での診察が必要になるケースもあります。医師による専門的な治療により、お子さまの精神状態が改善する可能性があります。
5.早期発見・早期対応
専門家への相談により、問題解決に向けての早期対応が可能です。これにより、症状の悪化を防ぎながら、回復への道筋を見出せるかもしれません。
相談窓口には、学校や地域の教育委員会、インターネット上のカウンセリングサービスなどがあります。多くの機関では、初回相談を無料で提供するなど、気軽に相談できる環境を整えています。
地域や自治体の支援サービスの活用
地域や自治体の支援サービスの活用が必要な理由は以下の通りです。
1.専門的な支援へのアクセス
自治体によっては、不登校や引きこもりに特化した相談窓口を設けています。これらの窓口の利用で、具体的な支援策を見つけられるでしょう。
2.包括的な支援体制
ひきこもり地域支援センターなどの公的機関は、相談支援から居場所づくり、ネットワーク形成まで包括的なサポートを提供しています。これにより、お子さまの状況に応じた多角的な支援が可能です。
3.親の会やサポートグループへの参加
同じ悩みを抱える保護者様との情報や経験の共有で、孤立感を和らげ新たな視点や対応策を得られるかもしれません。
4.安心できる居場所の提供
地域の教育支援センターは、お子さまがリラックスして過ごせる場所を提供しています。これらの施設は、お子さまにとって家庭外での安心できる居場所を見つける手助けになるでしょう。
参考:不登校への対応について
5.段階的な社会復帰支援
地域若者サポートステーションなどのサービスでは、コミュニケーション講座やパソコンスキル習得、就活セミナーなどを提供しています。これらは、お子さまの段階的な社会復帰をサポートしてくれるでしょう。
参考:サポステとは | サポステ[地域若者サポートステーション]
地域や自治体の支援サービスの活用は、家庭内だけでは解決が難しい問題に対して、専門的かつ包括的なサポートが期待できます。これらの機関は、お子さまの自立と社会復帰を目指すうえで、大きな助けとなります。
不登校・引きこもりの親自身のストレスケア
不登校や引きこもりのお子さまに向き合うなかで、保護者様が心身ともに疲弊してしまうのは珍しくありません。お子さまを支えるためには、まず保護者様ご自身が、心の健康を維持する必要があります。
ここでは、保護者様が抱えるストレスを軽減し、前向きに対応するための具体的な方法を解説します。
親の心構え
お子さまが不登校や引きこもりの状況にあると、多くの保護者様は「自分の育て方が悪かったのではないか」と自責の念に駆られてしまいます。しかし、不登校や引きこもりは家庭環境や育て方だけが原因ではありません。
現代社会における学校生活や人間関係の複雑さ、そしてお子さまそれぞれが抱える特性や心理的要因など、さまざまな要素が絡み合っているのです。
自分を責め過ぎると、保護者様自身に心の余裕がなくなり、お子さまに対して適切な対応が難しくなります。大切なのは「今はお子さまにとって休む時間が必要なのだ」と理解し、長期的な視点を持つことではないでしょうか。
お子さまの成長にはそれぞれのペースがあります。なかなか動き出さない様子のお子さまに焦ってしまうときもあるでしょう。しかし、親としてすべてを解決しようとする責任感を手放し「自分にできることをやっていれば十分」という心構えで過ごしてください。
相談できる仲間やサポートを見つける
不登校や引きこもりのお子さまがいる保護者様は、孤独を感じます。しかし、同じ悩みを持つ仲間とのつながりで、心の負担が軽減できるほか、具体的な対応策を見つけられるかもしれません。
たとえば、親の会や地域のサポートグループへの参加は、経験を共有し互いに励まし合える貴重な場所です。ほかの家庭の体験談から、新たな視点や実践的なアドバイスを得られるケースもあるでしょう。
また、インターネット上には、不登校や引きこもりに関するフォーラムやSNSグループが多数存在します。自宅から気軽に相談できるため、忙しい保護者様にとって便利な選択肢かもしれません。ただし、情報の正確性には注意し、信頼できるコミュニティの選択が重要です。
カウンセリングを受ける
保護者様のストレスケアには、専門家の助けを借りるのも非常に効果的です。カウンセリングは、お子さまの問題に加え、保護者様が抱える不安を和らげてくれるでしょう。保護者様の心身の健康維持は、お子さまを支えるうえで非常に重要です。
カウンセリングでは、家庭内で行き詰まりを感じていた状況に変化をもたらすきっかけが生まれる場合もあります。また、保護者様の心のなかにあるやり場のない感情を安全な環境で吐き出せるため、ストレスの軽減が期待できるでしょう。
最近では、オンラインカウンセリングサービスも充実しており、自宅にいながら専門的な支援を受けられます。時間や移動の制約を気にせず利用できるのも、大きなメリットといえるでしょう。
リラクゼーションを取り入れる
リラクゼーションは、ストレスを軽減する効果的な方法の1つです。身体と精神の緊張状態や不安な状態を緩和し、イライラや気分の落ち込みを改善します。
不登校や引きこもりのお子さまを支えるなかで感じる不安や疲労は、保護者様の心身に大きな影響を与えます。例えば、その対策として深呼吸などを日常に取り入れてみるのもいいかもしれません。
深呼吸は自律神経のバランスを整え、いつでも手軽に実践できます。静かな場所で深く呼吸をするだけでも、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があります。さらに、趣味や気分転換の時間を意識的に設けるのも重要です。音楽や散歩など自分が楽しめる活動を取り入れ、心をリフレッシュするよう意識してください。
リラクゼーションは「自分を大切にする時間」となるほか、良好な家族関係にもつながる重要な取り組みです。
「不登校こころの相談室」ができること
不登校や引きこもりで悩む保護者様にとって、問題を1人で抱え込むのは非常につらいものです。そのような状況で、頼れる専門家の存在は大きな支えになるでしょう。
「不登校こころの相談室」は、まさにそのような悩みを抱えるご家庭の力になりたいと考えています。当相談室は、不登校や引きこもりに特化した専門機関として、多くのご家庭を支援してきました。心理カウンセラーや教育の専門家が、お子さまの気持ちに寄り添い、無理のないペースで社会復帰を目指すための道筋を一緒に考えていきます。
また、不登校や引きこもりへの対応はご家庭全体で取り組む必要があるため、保護者様へのサポートにも力を入れています。保護者様が抱える不安やストレスに寄り添い、具体的に働きかけてお子さまの不登校や引きこもりの問題を解決に導きます。
保護者様が正しい知識を持ち、心に余裕を持ちながら接すれば、お子さまも安心して次の1歩を踏み出せるようになるでしょう。
最初は気軽にお話ししていただけるよう、無料相談も用意しています。「何から始めればよいかわからない」といった段階でも構いません。ぜひ、どんな内容でも安心してご相談ください。