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子どもの不登校で母親が抱える悩みとは?
お子さまの不登校は、母親にとって非常に大きな心理的負担をともないます。「自分の育て方が間違っていたのではないか」といった自責の念や他者との比較意識が、心の健康に影響を及ぼし、うつになるリスクが高まる可能性があります。
うつを予防するためにも、まずは母親が自分の感情に向き合い、適切な対応策を知って心を軽くすることが大切です。
ここでは、お子さまが不登校になったとき、母親はどのような悩みを持つのか、また家族への影響についてお伝えします。
子どもへの罪悪感や自己否定
お子さまが不登校になると、母親は「自分のせいかもしれない」と考えがちです。「もっと早く異変に気づいていれば」「学校生活を楽しめる環境を整えていれば」と、過去の行動を振り返って責めることも少なくありません。
こうした感情が続くと、自己否定が強まり母親の心の負担がさらに増してしまうでしょう。不登校には多くの要因が絡み合っており、母親の育て方だけが原因であるケースはほとんどありません。
周囲との比較と孤独感
不登校の問題が表面化すると、多くの母親は周囲との比較に苦しみます。「うちの子だけが学校に行けない」といった思考にとらわれてしまうと、孤独感が強まります。
また、親しい友人や親戚にも相談しづらく「誰もこの状況を理解してくれない」といった気持ちに陥ってしまうでしょう。加えて「学校に行かせなければならない」といった社会的プレッシャーも母親を苦しめてしまいます。
家族全体への影響
不登校の問題は、母親だけでなく家族全体にも影響を及ぼします。たとえば、配偶者との間で対応方法に対する意見の食い違いが起きるケースも。
また、兄弟姉妹がいる場合、お子さまの不登校への対応に母親が時間を割くことで、ほかのお子さまたちが疎外感を覚える場合も少なくありません。
こうした家庭内のギクシャクした状況が続くと、家族全体のコミュニケーションが低下し、さらに問題が複雑化する恐れがあります。
不登校の母親がうつを予防するためにできる5つのこと
お子さまの不登校問題に取り組むうえで、母親自身の心の健康維持は非常に重要です。知らず知らずのうちにストレスが蓄積されると、うつのリスクが高まる危険性もあります。
ここからは、母親のストレスを軽減し、前向きに対応するための具体的な方法をお伝えします。
①自分の感情を正しく理解する
「完璧な母親でいなければ」といった思考が強い方ほど、お子さまの状況をすべて自分の責任と捉えてしまう傾向があります。まずは自分の感情に向き合い、なぜ不安や苛立ちを感じるのかを整理しましょう。
また「自分を責める癖」に気づくのも大切です。心理学的には、自己否定が強いほどストレスに対する耐性が低下するとされています。無理にポジティブ思考になる必要はありません。しかし、冷静に現状を受け入れる視点は必要です。
②リラックスできる時間を確保する
ストレスを軽減するには、日々の生活において少しでもリラックスできる時間を持つのが効果的です。呼吸法やヨガ、軽い散歩などは、心を落ち着ける効果があるでしょう。
「忙しいから」と後回しにせず、短時間でも自分のための時間を持つ工夫は必要かもしれません。小さな積み重ねが、うつになるリスクを防ぎ、心の健康を保つ秘訣です。
③信頼できる人に相談する
孤独感や不安を抱え込まず、信頼できる方に相談するのは心の健康を保つうえで重要です。友人や家族だけでなく、専門家に話を聞いてもらうと、新たな視点を得たり心が軽くなったりするケースもあるでしょう。
専門家は中立的な立場から具体的に働きかけてくれるため、状況を整理し行動の指針を見つけやすくなります。1人で悩みを抱え込むのではなく、他者に頼ることで、問題解決への道筋が明確になり、母親の心にも余裕が生まれるでしょう。
④親の心の健康が子どもに与える影響を知る
母親の心の平穏は、家族全体によい雰囲気をもたらします。不登校の問題が長引き、母親がストレスを抱え込んでしまうと、家庭の雰囲気やお子さまの気持ちに影響を与えてしまいかねません。
母親が落ち着き余裕を持って対応できれば、家庭が安心感に包まれます。母親の健康的な心の状態維持は、不登校解決の土台を築く大切なポイントといえるでしょう。
⑤価値観を見直し新しい視点を取り入れる
お子さまの不登校問題に向き合うなかで、母親は「親として完璧でなければならない」「学校に通わせるのが親の務め」といった固定観念に縛られる場合があります。これらの価値観が、過度なプレッシャーとなり母親の心を追い詰める要因になるケースもあるでしょう。
価値観を柔軟に見直してみると、肩の荷が降りる場合もあります。多くの場合、これらは世代間連鎖や社会から無意識に刷り込まれたものと考えられます。不要な価値観が緩んでいけば、お子さまが「安心できる場所」と感じられる環境を作る助けになるかもしれません。
不登校の子どもとの接し方で母親が意識したいこと
不登校は、親子の信頼関係やお子さまとの接し方によって、解決に向かう場合があります。しかし、お子さまの心と身体が回復するペースはそれぞれ異なるので焦る必要はありません。
ここでは、母親が不登校のお子さまと接するときに意識したいポイントをお伝えします。
子どもの心の声に耳を傾ける
まずは、お子さまの「学校に行きたくない」気持ちを尊重する姿勢が大切です。「なぜ学校に行きたくないのか」「どのようなことが不安なのか」と問い詰めても、多くのお子さまはうまく説明できないかもしれません。
しかし、お子さまの心の奥にある気持ちに耳を傾けることで、根本的な理由を見つけられるケースもあるでしょう。母親がお子さまの話を「聴く」行為は、安心感を与える効果もあります。
母親が自分を理解しようとしてくれていると感じられると、お子さまは次第に心を開き自分から話を始めるかもしれません。
焦らない対応を心がける
学校への復帰を急ぐ必要はありません。まずは、お子さま自身が自分のペースで前進できる環境を整えるのが重要です。
母親の焦りが言動に表れると、かえってお子さまにプレッシャーを与えてしまいます。不登校の解決には時間がかかると理解し、母親が「ゆっくりで大丈夫」と思える気持ちでいるのが大切です。
家族全体のバランスを保つ
不登校のお子さまへの対応に集中するあまり、ほかの家族との関係がおろそかになるケースがあります。
特に兄弟姉妹がいる場合は、母親の愛情や関心が不足していると感じたり、不登校のお子さまに対するストレスや困惑が出たりすることもあるでしょう。母親は家族全体のバランスを保ち、彼らの気持ちにも配慮する姿勢が求められます。
また、夫婦間のコミュニケーションもきわめて重要です。不登校の子どもへの対応によるストレスは、家族の絆を弱める可能性があるため、互いを思いやり支え合う姿勢が大切です。
「不登校こころの相談室」ができること
お子さまの不登校に悩む母親の心の負担は、時として深刻なうつ状態にまで発展するケースがあります。どうか、1人で抱え込まず、信頼できる方や専門家への相談を検討してください。
「不登校こころの相談室」のオンラインカウンセリングは、プライバシーを守りながら、経験豊富なカウンセラーが寄り添いきめ細やかな支援を提供します。自宅で気軽に相談でき、外出のための時間や人目を気にする必要がありません。
専門家のサポートを受けてこそ、不登校への対応に具体的な方向性が見え、母親は不安や孤独感から解放されるでしょう。1人で悩みを抱え込まず、ぜひ「不登校こころの相談室」にご相談ください。