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高校生の不登校相談が必要になるタイミングとサイン

高校生の不登校は、ある日突然始まるものではありません。多くの場合、お子さまの心の中で不安やストレスが徐々に蓄積され、それが行動や態度の変化として現れてきます。
「まだ大丈夫かもしれない」「一時的なものかもしれない」と思いながらも、心のどこかで「このままでいいのだろうか?」と不安を感じている保護者様も多いでしょう。保護者様だけでなく、高校生本人もどうしていいのかわからず深く悩んでいるものです。
適切なタイミングでの相談は、問題の深刻化を防ぎ早期の解決につながる可能性があります。ここでは、なぜ早期の対応が大切なのか、相談を検討すべきサインについてくわしく説明します。
高校生の不登校は早期相談が重要
高校生の不登校において、早期相談が重要な理由は複数あります。まず、高校生は進路選択の重要な時期にあたるため、不登校が長期化すると進学や就職に影響があると考えられるからです。
また、高校生は心理的にも大きな変化を迎える時期です。アイデンティティの確立や将来への不安など、複雑な感情を抱えやすく、一人で問題を解決するには負担が大きすぎる場合があります。早期に専門家の支援を受ける機会があると、これらの心理的な負担を軽減できるでしょう。
さらに、不登校による学習の遅れや社会との接点の減少により、復帰への心理的なハードルがどんどん高くなってしまいます。そのため、早期の相談でお子さまに合った学習方法や社会復帰のステップを見つける必要があります。
親が気づくべき不登校のサイン
高校生の不登校には、以下のように事前に現れるさまざまなサインがあります。
生活リズムの変化 | ・朝起きられなくなり、夜更かしが習慣化 ・食事を摂る時間が不規則 ・食欲に大きな変化が見られる |
コミュニケーションの変化 | ・話しかけても返事しない ・部屋にこもりがちになる |
感情の起伏の変化 | ・些細な出来事で怒る ・無気力で何事にも関心を示さない ・涙もろくなる |
身体的な不調の訴え | ・頭痛や腹痛といった身体的な不調を頻繁に訴える ・学校に行く時間帯に体調不良を訴える |
特に高校生は、将来への不安から大学受験や就職といった進路関連の話題に対する拒否反応が強く現れる傾向があります。
高校生特有の不登校の原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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高校生本人が感じる相談のタイミング
高校生本人にとって、相談を始めるタイミングを見極めるのは簡単ではありません。しかし、以下のような気持ちや状況になったときは、相談を検討するタイミングと考えていいでしょう。
- 一人で抱えきれないと感じたとき
学校に行けない理由がはっきりしなかったり、解決方法が見つからなかったり、一人では対処できないと感じる場合です。「どうすればいいかわからない」といった状態が続くときは、専門家のアドバイスがあると新しい気づきを得られるかもしれません。
- 将来への不安が強くなったとき
「このままでは進学できないのではないか」「将来どうなってしまうのか」といった不安が強くなり、毎日そればかりを考えてしまう場合です。このような不安は、適切な情報と支援があれば軽減できる場合が多いでしょう。
- 家族に心配をかけていると感じたとき
親が心配している様子を見て「申し訳ない」「迷惑をかけている」と感じる場合も、相談を始めるタイミングかもしれません。専門家への相談で、より良い家族関係の構築が期待できます。
高校生の不登校相談先の種類と選び方

高校生の不登校相談といっても、相談先にはさまざまな選択肢があります。学校内での相談から専門機関、民間のカウンセリングサービスまで、それぞれに特徴やメリットがあるため、お子さまの様子や家庭の状況にあわせて適切な相談先を選ぶことが大切です。
ここでは、主な相談先の特徴について解説します。
学校関係者への相談
学校関係者への相談は、最も身近で気軽に始められる選択肢です。特に、不登校の初期段階では、まず学校側との連携で状況の改善を図れる場合があります。
- 担任の先生
担任は、お子さまの学校での様子を最もよく知る存在です。クラス内の人間関係や学習状況、友人との関わり方など、家庭では見えない部分の情報を得られます。ただし、担任の先生は教育の専門家であり、心理的な問題への対応については限界があるでしょう。
- スクールカウンセラー
多くの高校にはスクールカウンセラーが配置されており、心理的な問題に関する専門的な支援を受けられます。スクールカウンセラーは、相談内容を口外しない守秘義務があります。そのため、保護者様もお子さまも安心して本音を話せるでしょう。
専門機関の活用
学校以外の専門機関では、より専門的で継続的な支援が期待できます。不登校に関する豊富な経験と専門知識を持つ専門家が、個別のニーズに応えてサポートします。
- 教育支援センター
各自治体が運営する教育支援センターでは、小中学生を主な対象としている自治体が多いのが現状です。しかし、地域によっては不登校の高校生に対する学習支援や心理的サポートを提供しているところもあります。同じような悩みを持つ同世代との交流の機会もあり、段階的な社会復帰を支援してくれるでしょう。
- 医療機関
不登校の背景に精神的な疾患や心理的な問題が深く関わっている場合は、心療内科や精神科といった医療機関での専門的な診断と治療が必要になる場合があります。医療機関では、カウンセリングに加えて必要に応じて薬物療法も併用でき、より包括的な治療を受けられます。
民間カウンセリングサービスの活用
民間のカウンセリングサービスは、公的機関とは異なる柔軟性が大きな魅力です。特に、自宅から気軽に専門的な支援を受けられるオンラインカウンセリングは、外出がつらいお子さまや、対面での相談に不安を感じるお子さまには効果的かもしれません。
- オンラインの利便性
オンラインカウンセリングは、場所の制約がなく、お子さまにとって最も安心できる環境で相談を受けられます。保護者様にとっても、仕事の合間や家事の空き時間を活用して相談できるのは継続しやすいのではないでしょうか。
- カウンセラーの高い専門性
不登校に特化した専門的な知識と経験を持つカウンセラーが在籍し、より的確なアドバイスが受けられます。また、カウンセラーとの相性が合わない場合には、別のカウンセラーに変更が可能。お子さまが信頼できるカウンセラーと出会えるまで、じっくりと選択できるのも大きなメリットです。
- 包括的なサポート
民間カウンセリングサービスでは、お子さまだけでなく、保護者様へのサポートも同時に提供しているところが多くあります。家族全体での問題解決に向けて、それぞれの立場に応じた支援を受けられるため、より効果的な改善が期待できるでしょう。
高校生のカウンセリングの具体的な進め方や効果について知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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高校生の不登校相談で得られる3つ効果

高校生の不登校相談は、学校に行けない状態を解決するだけでなく、お子さまと家族の将来にプラスとなるさまざまな効果をもたらします。専門家との継続的な対話を通じて、お子さまの内面的な成長を促し、家族全体の絆も深められるでしょう。
ここでは、高校生の不登校相談で得られる3つの主要な効果について、具体的に解説します。
①自己肯定感を取り戻せる
不登校の状態にあるお子さまは、自分を責めたり将来への不安を抱えたりして、心理的に不安定な状態です。相談を通じて、まずはこの心理的な負担を軽減し、安定した気持ちを取り戻すのが重要です。
カウンセラーとの対話では、学校や家庭では言えない不安を吐き出しても、それを否定されることなく受け入れてもらえます。カウンセラーとの間に信頼関係が生まれ安心して話せるようになると、お子さまの心に変化が訪れるでしょう。
話をじっくり聴いてもらえる安心感が土台となって、お子さまは少しずつ自分の気持ちと向き合い自己肯定感を取り戻していきます。
②問題解決力を育むことができる
相談を通じて、お子さまは自分が抱える問題を客観的に分析し、解決策を見つける力を身につけられます。専門家のサポートを受けて問題解決のプロセスを体験できれば、今後の人生でも大いに役立つはずです。
解決策を考える過程では、お子さまが主体的に選択肢を検討して最適な方法を探っていきます。カウンセラーは答えを与えるのではなく、お子さまが自分で答えを見つけられるよう導きます。
この経験により、将来新たな困難に直面しても、冷静に状況を見て自分で判断できる力が身につくでしょう。問題解決力の向上は、お子さまの自信回復にもつながります。
③家族関係が改善する
不登校は、お子さまだけの問題ではありません。家庭全体での取り組みで、お子さまの様子が改善するケースが多くあります。相談を通じて家族それぞれの役割が明確になり、絆も深まっていくでしょう。
専門家との相談では、家族それぞれの気持ちや立場を整理し、相互理解を深められます。お子さまの不登校に対する保護者様の不安や心配、そして保護者様の気持ちに対するお子さまの理解など、これまで伝えきれなかった感情を共有できるようになるでしょう。
お子さまにとって家庭が安心安全の場所になれば、心の状態が安定してきます。また、相談によって、保護者様は「一人で抱え込まなくてもいい」安心感を得られます。
日常生活でお子さまをサポートする具体的な方法については、こちらの記事で7つのポイントを詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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最後に | 高校生の不登校相談は信頼できる先へ早めに

高校生の不登校相談は、お子さまの心の負担を軽くし、前に進むための大切な一歩です。適切なタイミングで信頼できる相談先を見つけることが重要です。専門家のサポートによって、お子さまの進路や将来への不安を和らげられます。また、親子関係の改善や心理的な安定を取り戻すことも期待できるでしょう。
「不登校こころの相談室」では、高校生の不登校に特化したオンラインカウンセリングを提供しています。ご自宅から相談できるため、外出が難しい状態でも安心です。また、「不登校こころの相談室」は、保護者様だけのカウンセリングも可能です。「高校生の不登校で親としてどう関わればいいのか」と悩んだときに、心強いサポートになるでしょう。
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