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付き添い登校(母子登校)は迷惑?

付き添い登校(母子登校)を続ける中で、「周りに迷惑をかけているのでは」と不安になる保護者様は少なくありません。
視線が気になったり、先生とのやり取りに敏感になったりすることで、「特別扱いに見えていないか」「子どもの成長を妨げていないか」と悩むこともあるでしょう。
しかし、付き添い登校(母子登校)は、お子さまが安心して学校に向かうための大切なサポートの一つです。
保護者様は必要なサポートをしているだけで、「迷惑」と決めつける必要はありません。
まずは、ご自身の不安な気持ちを否定せず、丁寧に受け止めることが大切です。
なお、付き添い登校(母子登校)に関する詳しい解説は、こちらの記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
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「付き添い登校(母子登校)は迷惑?」と悩んでしまう背景

付き添い登校(母子登校)を続ける中で、周りの反応やお子さまの将来を考えて悩む保護者様は多くいます。
ここでは、保護者様が悩んでしまう背景について、具体的に見ていきましょう。
周囲の目が気になる
付き添い登校(母子登校)を続けていると、他人の視線が気になることがあるでしょう。
このように、周りからどう思われているかに意識が向くと、「迷惑をかけているのでは」と不安を抱きやすくなってしまいます。
たとえば、登校中に他の保護者とすれ違ったときや、先生との会話で敏感になる場面では、葛藤が生まれることがあるかもしれません。
そうした不安が大きくなると、付き添うこと自体に迷いが生じ、気持ちが落ち着かなくなってしまいます。
周囲の反応を気にしすぎてしまうことは、付き添い登校(母子登校)を続ける上で負担につながることがあります。
子どもの自立心を心配している
付き添い登校(母子登校)が長引くと、「このままでは自立できないのでは」と心配になることがあります。
特に、年齢が上がるにつれて周囲との違いが気になり、不安が強まることがあるでしょう。
自立に向かって進んでいってほしいという気持ちは、どの保護者様にもあるものです。
だからこそ、思うように進まない状況に対して不安やもどかしさを感じてしまうのは、自然なことです。
付き添い登校(母子登校)を続けるときの工夫と心がけ

付き添い登校(母子登校)を無理なく続けていくためには、保護者様の負担を軽減する工夫や関わり方が欠かせません。
ここでは、実践しやすい方法をいくつかご紹介します。
付き添い方を工夫する
付き添い登校(母子登校)を続けるときは、お子様との関わり方を少し見直すだけでも負担の軽減につながります。
お子さまの安心感を保ちながら、無理のない範囲で距離を調整していくことがポイントです。
たとえば、毎日校門まで付き添っていた場合、昇降口や通学路の途中で見送る形に変えてみるなど、段階的な対応をとってみましょう。
お子さまの不安が強い日は無理せず、その日の様子を見て柔軟に動くことも大切です。
無理なく続けられるスタイルを、保護者様自身も探っていきましょう。
学校と情報共有する
安心して付き添い登校(母子登校)を続けるためには、学校との連携が欠かせません。
お子さまの状況や保護者様の気持ちを丁寧に共有することで、信頼関係が築きやすくなります。
情報が行き届いていれば、学校側も無理のない支援を提案しやすくなるでしょう。
保護者様だけで悩まず、遠慮せずに相談できる関係性を築いていくことが大切です。
子どものできていることに目を向ける
付き添い登校(母子登校)が長くなると、お子さまのできていない部分にばかり意識が向いてしまうことがあります。
しかし、小さな変化や前進のサインに気づくことで、見える景色が少しずつ変わってくるものです。
たとえば、朝の支度がスムーズにできた、出発するときの表情が和らいでいたなど、日常の中にも確かな成長は表れているかもしれません。
保護者様が前向きな視点を持つことで、お子さまの気持ちも落ち着きやすくなります。
できていることを見つけていく姿勢が、穏やかな親子関係にもつながります。
周囲の反応を気にしすぎない
周りの視線が気になると、「このままでよいのか」と迷いが生まれやすくなります。
しかし、すべての人に理解を求めることは難しいものです。
付き添い(母子登校)を必要とする理由は家庭ごとに異なり、その背景まですべてを他人が知ることはできません。
気になることがあれば、まずは信頼できる人や学校に相談するのも一つの方法です。
他人の評価ではなく、お子さまの気持ちや安心感を軸に考えることが大切です。
付き添い登校の卒業を焦らない
「いつまで続くのか」という不安を抱えることは、どの保護者様にもあります。
しかし、明確なゴールを急いでしまうと、かえってお子さまの不安が強まることもあります。
年齢や学年が上がるにつれ、他の子と比べてしまう機会も増えていくことでしょう。
しかし、一人で登校できるようになるタイミングには個人差があります。
ときには、焦らず、少しずつ変化が見えてくるのを待つことも大切です。
付き添い登校(母子登校)がつらくなってきたときのサイン

付き添い登校(母子登校)を続けていると、気づかないうちに保護者様の負担が大きくなってしまうことがあります。
我慢を重ねすぎる前に、「つらくなってきたサイン」に気づくことが大切です。
ここでは、見落とされやすい保護者様の負担のサインについて解説します。
イライラや不安が続く
付き添い登校(母子登校)を続ける中で、以前よりもイライラしやすくなったり、不安を強く感じるようになったとしたら、気づかないうちに疲れが溜まっている可能性があります。
感情の波が大きくなるのは、心の余裕がなくなっているサインです。
お子さまのちょっとした言動に反応しすぎてしまったり、自分でも驚くような言葉を口にしてしまったりすることがあるかもしれません。
思うように感情をコントロールできない状態が続くと、自己嫌悪につながることもあります。
こうした言動は、保護者様が毎日懸命にお子さまと向き合っているからこそ現れるものです。
少しでも自分の感情の変化に気づいたときは、心が休めていない証拠かもしれません。
生活のすべてが「登校中心」になる
付き添い登校(母子登校)が日常になると、生活のほとんどを登校に合わせて動くようになることがあります。
登校時間に合わせて家事や予定を調整し、自分の時間が取れなくなってしまうことも少なくありません。
家族との会話や趣味、仕事のバランスが崩れ、日々の楽しみや休息がないと感じるようになってきたときは、保護者様自身の生活にゆとりがなくなっている可能性があります。
お子さまの登校支援は大切ですが、保護者様の生活や気力を削ってまで続けることが目的になってしまってはいけません。
無理をしていないか、生活全体を見直す視点も必要です。
子どもとの関係が苦しくなる
付き添い登校(母子登校)を続ける中で、親子のやり取りにストレスを感じることがあります。
声をかけても返事がなかったり、学校に行く前から険しい雰囲気になってしまったりする日が続くと、関係そのものが苦しくなってしまいますよね。
思うように気持ちが通じず、何を言っても届かないように感じることが増えてくると、保護者様のなかに不安や疲れが蓄積されていきます。
お子さまを大切に思っているからこそ生まれる感情であることを、まずは否定しないでくださいね。
付き添い登校(母子登校)で悩んだときの相談先

付き添い登校(母子登校)を続けるときは、保護者様だけで抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうことが大切です。
ここでは、相談先として考えられる選択肢をご紹介します。
学校・スクールカウンセラー
最も身近な相談先として、学校の担任の先生やスクールカウンセラーが挙げられます。
日ごろからお子さまの様子を見ている関係者への相談は、状況の共有も容易でしょう。
保護者様が付き添い登校(母子登校)の背景や不安を伝えることで、学校側も事情を理解し、配慮のある対応を検討してくれる可能性があります。
たとえば、登校時のサポートや付き添いの範囲について相談しておくのも有効です。
学校と連携して進めていくことは、保護者様の負担を軽減する上で大きな支えになります。
教育支援センター
地域の教育支援センター(適応指導教室)は、学校外の相談先としてサポートにあたってくれる場所です。
付き添い登校(母子登校)に限らず、学校生活への不安全般について専門的な立場から助言を受けることができます。
地域によって支援内容は異なりますが、教育委員会のホームページなどで情報を確認しておくと安心です。
オンラインカウンセリング
外に出て相談することが難しいときや、近くに適切な窓口が見つからない場合、オンラインカウンセリングを利用するという方法もあります。
スマートフォンやパソコンがあれば、自宅から気軽に相談できるのが魅力です。
保護者様が付き添い登校(母子登校)に関する悩みや不安を言葉にすることで、自分の気持ちを整理できることもあります。
周りを気にせず話せるという安心感も得られるでしょう。
継続的に気持ちを聞いてもらえる場があるだけでも、心の安定につながります。
なお、付き添い登校(母子登校)に疲れたときの対処法については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
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付き添い登校(母子登校)の悩みは「不登校こころの相談室」へ

付き添い登校(母子登校)を続ける中で、不安や迷いを抱えるのは自然なことです。
周りに話しにくい悩みも、一人で抱え込まず言葉にすることで、少しずつ気持ちが整理されていきます。
「不登校こころの相談室」では、臨床心理士や公認心理師などのカウンセラーが、保護者様の気持ちに寄り添いながらサポートしています。
オンラインで気軽に利用できるので、日々の負担を感じている方も、安心してご相談くださいね。