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付き添い登校(母子登校)とは?

付き添い登校とは、保護者様がお子さまと一緒に登校することを指します。
保護者様の中でも、特にお母様が付き添って登校するケースが多いため「母子登校」と呼ばれることもあります。
付き添い登校(母子登校)は、お子さまが登校を嫌がったり、不安を感じたりする場合にとられるサポートです。
一時的に付き添い登校(母子登校)が必要となるケースもあれば、長期間続くこともあります。
お子さまが付き添いを求める理由はさまざまで、進級や転校といった環境の変化、人間関係の不安、発達特性などが影響することがあります。
保護者様は、お子さまの安心感を優先したいという思いを持ちつつも、どのように対応すべきか、悩まれることが多いでしょう。
付き添い登校(母子登校)は、お子さまの負担を一時的に軽減できますが、長期化すると自立を妨げる可能性もあります。
そのため、お子さまの状況に合わせた適切なサポートが求められます。
付き添い登校(母子登校)のメリット

付き添い登校(母子登校)は、お子さまの不安を軽減することができるサポートです。
ここでは、付き添い登校(母子登校)によってお子さまにどのような変化を与えるのか、その他にどのようなメリットがあるのか、次の3つにまとめて紹介します。
- 子どもに安心感を与えられる
- 学校と連携が取りやすくなる
- 子どもの変化を見守ることができる
子どもに安心感を与えられる
付き添い登校(母子登校)の最大のメリットは、お子さまが安心して学校へ向かえることです。
特に、新しい環境に慣れるまでの期間や、不安が強い場合に、保護者様がそばにいることで心理的な安定を得ることができるでしょう。
無理に送り出すよりも、安心できる環境を作ることで、お子さま自身が「学校に行こう」という前向きな気持ちを持ちやすくなるのです。
ただし、ずっと付き添い続けるのではなく、徐々にお子さまが一人で登校できるようサポートすることも重要です。
最終的には、お子さまが保護者様に付き添われなくても安心して学校に通える状態を目指しましょう。
学校と連携が取りやすくなる
付き添い登校(母子登校)をすることで、保護者様が学校の先生と直接コミュニケーションを取る機会が増えます。
これによって、お子さまの学校での様子や、先生側の対応を確認しやすくなるのも、メリットの一つです。
たとえば、朝の登校時に先生と顔を合わせることで、「昨日の様子はいかがでしたか?」といった会話が生まれることがあるかもしれません。
また、お子さまが困っていることや不安に思っていることを伝えやすくなり、学校側と連携して適切なサポートをとりやすくなるでしょう。
付き添い登校(母子登校)を行うときは、学校と良好な関係を築くことで、お子さまにとっても安心できる環境を作りやすくなります。
子どもの変化を見守ることができる
付き添い登校(母子登校)をすることで、お子さまの変化を細かく観察し、必要なサポートを適切なタイミングで行うことができます。
学校に向かう途中で不安そうな様子が見られる場合は、その原因を探り、対処法を考えることができるでしょう。
また、付き添いを続けるうちに、お子さまが「今日はここまでなら一人で行けそう」と自信を持つ場面が出てくることもあります。
このような小さな変化を見逃さず、成長の機会と捉えることが大切です。
お子さまの状況は、日々変化するものです。
保護者様は、「いつもと違う様子はないか」「少しずつ自立の兆しが見られるか」を意識しながら、サポートの方法を調整していきましょう。
付き添い登校(母子登校)のデメリット

登校が不安なお子さまに安心感を与えることができる付き添い登校(母子登校)ですが、デメリットがあるのも事実です。
付き添い登校(母子登校)を行うときは、次の3つのデメリットがあることを理解しておきましょう。
- 親の負担になる
- 子どもの自立を妨げる可能性がある
- からかわれることがある
親の負担になる
付き添い登校(母子登校)が長く続く場合、保護者様にとって大きな負担となることがあります。
特に、仕事や家事との両立が難しくなることがあり、時間的・精神的な負担を感じるようになるでしょう。
また、「いつまで付き添えばよいのか」という慢性的な不安を抱えることもあります。
一人で登校できている周囲のお子さまと比較して焦ったり、お子さまがなかなか一人で登校できないことにプレッシャーを感じたりすることもあるかもしれません。
このような負担を軽減するためには、学校や周囲の人と相談しながら、無理のない形で付き添いを続けることが大切です。
家族内で付き添う保護者様を固定するのではなく、可能であれば分担できるとよいでしょう。
子どもの自立を妨げる可能性がある
付き添い登校(母子登校)が長期間続くと、お子さまが「保護者様がいないと学校に行けない」と思い込んでしまうことがあります。
それによって、学校生活に適応する機会が減り、自立の妨げになってしまう可能性が懸念されます。
付き添い登校(母子登校)が続くと、最初は不安で付き添いを求めていたお子さまが、徐々に付き添いを当たり前に感じてしまうことがあります。
結果、一人で登校することへのハードルが高くなってしまうのです。
そのため、付き添いを続ける際には、「どのタイミングで付き添いを減らしていくか」を意識することが重要です。
保護者様が適切な距離感で見守りながら、少しずつお子さまが自分の力で登校できるようサポートしていくことが望ましいでしょう。
からかわれることがある
付き添い登校(母子登校)をしていると、周囲のお子さまから「どうして親と来てるの?」といった言葉をかけられることがあります。
お子さまの年齢や周囲の環境によっては、からかわれたり、目立ってしまったりすることもあるかもしれません。
特に、小学校高学年になると「保護者様と一緒に登校するのは恥ずかしい」と感じるお子さまも出てきます。
お子さまからの要望で始めた付き添い登校(母子登校)だったとしても、適宜お子さま自身の気持ちを確認し、次の対応を探っていきましょう。
付き添い登校(母子登校)を卒業するタイミング

付き添い登校を卒業するタイミングは、お子さまの成長や自立の度合いによって異なります。
登校に対する不安が軽減され、「今日は一人で行けそう」と前向きな言葉が出るようになったら、少しずつ付き添いを減らす良い機会です。
また、学校での過ごし方が安定し、友達や先生と自然に関われるようになったときも一つの目安になります。
ただし、無理に付き添いをやめるのではなく、お子さまの気持ちを尊重しながら慎重に進めることが大切です。
卒業のタイミングは焦らず、お子さまのペースに合わせて見守りましょう。
学校や先生と相談しながら、無理のない形で進めることが成功のポイントです。
付き添い登校(母子登校)を行うときの注意点

付き添い登校(母子登校)にはデメリットがあることも事実ですが、いくつかのポイントに気を付けながら行うことで、お子さまをより良くサポートすることができます。
ここでは、付き添い登校(母子登校)が良い影響を与えるものとなるよう、意識したい注意点を紹介します。
- 徐々に子どもが自立できるようにする
- 長期的な目で見守る
- 学校との連携を密にする
徐々に子どもが自立できるようにする
付き添い登校(母子登校)をする際は、少しずつお子さまが自立できるよう意識することが大切です。
最初は教室まで付き添っていた場合でも、次第に校門まで、途中までと距離を縮めていくことで、お子さまの自信につながります。
また、登校の際に友達と一緒に歩く機会を作ることも効果的です。
成功体験を積み重ねることで、お子さまは徐々に一人で登校する力をつけていくのです。
長期的な目で見守る
付き添い登校(母子登校)の期間には、個人差があります。
短期間で卒業できるお子さまもいれば、長くかかる場合もあります。
焦らず、今の状況を受け入れながら、お子さまの成長を見守る姿勢が大切です。
「いつになったら一人で行けるのか」と焦るよりも、「少しずつ成長している」と前向きに捉えましょう。
小さな変化を見逃さず、お子さまが自信を持てるようサポートすることが重要です。
学校との連携を密にする
付き添い登校(母子登校)を行う際には、学校との連携を密にすることが重要です。
先生と定期的に状況を共有し、お子さまの様子を確認しながら進めていきましょう。
登校時に先生と軽く会話をすることで、お子さまも安心しやすくなります。
学校と連携を取ることで、スムーズな自立をサポートする環境を整えることができるでしょう。
付き添い登校(母子登校)の悩みは「不登校こころの相談室」へ

付き添い登校(母子登校)は、お子さまの登校への不安感を和らげることができるサポートです。
しかし、長期間付き添う保護者様には、時間的・精神的な負担や、将来への不安がつきまとうのも事実でしょう。
付き添い登校(母子登校)の悩みを誰かに聞いてほしいと思っても、身近に同じ状況の親子がいないこともあるかもしれませんね。
そのようなときは、「不登校こころの相談室」へご相談ください。
お子さまへのサポートはもちろんですが、保護者様が抱える漠然とした不安や悩みを、心の専門家とともに解決していきましょう。
誰かに話すだけでも、心が軽くなることがあります。
付き添い登校(母子登校)の悩みは、家庭内で抱え込むのではなく、積極的にサポートを求めることが大切です。