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いじめ

不登校といじめの関係性は?国の対策や親にできることを詳しく解説します

近年、不登校やいじめは深刻な問題となっています。

文部科学省は、不登校やいじめを解決するためにさまざまな対策を行っており、国をあげて取り組むべき課題と言っても過言ではありません。

保護者様としては、お子さまがそのような経験をしないように、そして仮にそのようなことが起こっても、早期に解決してあげたいと思いますよね。

では、お子さまがいじめや不登校、またはいじめが原因の不登校を経験したとき、保護者様はどのような対応をとればよいのでしょうか。

本記事では、いじめや不登校の関係性について、データを交えながら詳しく解説します。

保護者様にできる対応についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

いじめとは?

いじめとは?

いじめとは、被害者を著しく傷つけ、その後の人生にも影響を及ぼす深刻な問題です。

ここでは、いじめの現状や増加原因について、データをもとに詳しく解説します。

いじめの定義と現状

文部科学省によると、いじめは以下のように定義されています。

児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該児童生徒が心身の苦痛を感じているものをいう。

引用:文部科学省 いじめ防止対策推進法

つまり、いじめとは何らかの関係にある子ども同士によって心身が傷つけられる行為と言えます。

令和5年度の文部科学省の調査によると、小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は、732,568件でした。これは、過去最多の数字です。

調査結果をみると、いじめが深刻な社会問題であることがわかりますよね。

(参考:文部科学省 令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果

近年では、いじめの内容も多様化しており、インターネットを通じて行われるいじめ、いわゆる「ネットいじめ」も増加傾向にあります。

たとえば、SNSでの誹謗中傷、個人情報の暴露、仲間はずれなどもそのうちの一つです。

いじめが増えている理由

いじめが増えている理由は、社会環境の変化、子どもたちのコミュニケーションの変化、学校や家庭の環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

たとえば、スマートフォンやSNSの普及により、子どもたちのコミュニケーションはオンライン中心になりつつあります。

顔が見えないコミュニケーションは、誤解やトラブルを生みやすく、ネットいじめの増加につながりやすくなるでしょう。

また、先生の多忙化、家庭環境の変化、地域社会のつながりの希薄化など、学校や家庭の環境もいじめの発生に影響を与えている可能性があります。

しかし、いじめの認知件数が増えているのは、必ずしも悪いことではありません。

裏を返せば、学校現場でのいじめに対する意識の高まりや、早期発見の取り組みが進んでいるために認知件数が増加していると考えることもできます。

不登校の原因

不登校の原因

では、いじめと同じく深刻な問題である不登校は、どのようなことが原因で起こるのでしょうか。

ここでは、不登校の原因について、文部科学省の分類をもとに3つにまとめて解説します。

  1. 本人によるもの
  2. 学校によるもの
  3. 家庭によるもの

①本人によるもの

お子さま本人に起因する不登校の原因はさまざまです。

具体的には、朝起きられないことが特徴の「起立性調節障害」といった健康上の理由や発達障害などが挙げられます。

そのほか、学校生活への意欲低下や将来への不安、人間関係の悩みなどから無気力状態に陥り、登校できなくなる場合もあります。

実は、不登校の原因として最も多いのは「無気力」なのです。

お子さま本人も、自分がなぜ学校に行けないのか、行く気になれないのか理解できていないケースも珍しくありません。

そのほか、 夜更かしや朝寝坊など不規則な生活習慣が定着してしまうと、朝起きられず、登校が困難になる場合があります。

お子さまによる理由での不登校は、背景にある問題が多岐に渡るため注意が必要です。

②学校によるもの

学校が原因で起こる不登校は、多くの人が想像する最も一般的な不登校ではないでしょうか。

いじめだけでなく、教師との関係、学業不振や進路への不安も不登校の原因となります。

学校はお子さまにとって社会生活の場であり、友人関係を築いたり学業に励んだり、将来の進路について考えたりする大切な場所です。

しかし同時に、お子さまにとって大きなストレス要因となる場でもあります。

友人との些細なトラブルから深刻ないじめに発展するケース、教師とのコミュニケーション不足や指導方法への不満から学校生活に不満を感じるケースもあるでしょう。

また、学習についていけないことや、テストの成績が悪いことなど学業面での不安やプレッシャーを感じてしまうこともあります、

文部科学省の調査によると、いじめが原因で不登校になるお子さまの割合は意外と少なく、全体の1.3%です。

また、いじめ以外の友人トラブルが原因の不登校は13.3%となっています。

この背景には、いじめよりも友人関係のトラブルの方が、より多くのお子さまに身近な問題であることが影響していると考えられます。

しかし、文部科学省の調査で「いじめ」が原因と認定されていないだけで、実際にはいじめが不登校の大きな要因となっている可能性も否定できません。

(参考:文部科学省 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

学校は、お子さまの成長にとって重要な場所であると同時に、大きなストレス要因となる可能性もあります。

③家庭によるもの

家庭は、お子さまにとって心身を休め、安心できる場所であるべきです。

しかし、ときにはお子さまにとって大きな負担となり、不登校につながる原因となる場にもなります。

家庭環境がお子さまの不登校に影響を与える要因はさまざまです。

両親の不仲や家庭内暴力、家族間のコミュニケーション不足などは、お子さまの精神的に不安定にさせ、不登校につながる場合があります。

また、経済的な困窮により、お子さまに必要な学習環境を整えられない、進路の選択肢が限られることによって、お子さまが不安を感じて不登校につながるケースもあります。

さらに、保護者様の過干渉や無関心、過度な期待なども、お子さまにプレッシャーを与え、不登校につながる要因となり得ます。

本来、家庭はお子さまにとって最も安心できる場所であるべきです。しかし、家庭環境や親子関係次第ではストレス要因となる可能性もあります。

保護者様は、お子さまにとって安心できる家庭環境を提供し、お子さまの気持ちに寄り添うことが大切です。

不登校といじめの関係性

不登校といじめの関係性

上記で少し触れましたが、不登校の原因がいじめであるケースは少数ではあるものの確認されており、不登校といじめは切っても切れない関係にあります。

ここでは、不登校といじめの関係性について具体的に解説します。

いじめが不登校につながる理由

いじめは、お子さまの心身に深刻な影響を与え、不登校の大きな要因となります。

いじめによる精神的な苦痛や身体的な苦痛、学校への不信感などが複雑に絡み合い、お子さまを学校から遠ざけてしまうのです。

いじめは直接的、間接的を問わず、お子さまに大きな精神的苦痛を与える行為です。

仲間外れや無視、悪口などは、お子さまの自尊心を傷つけ、不安や恐怖、絶望感などを引き起こします。

また、暴力や金銭の要求などは、身体的な苦痛だけでなく、強い恐怖心やトラウマを植え付けることがあります。

これらの精神的・身体的な苦痛は、お子さまの日常生活に大きな支障をきたし、不眠や食欲不振、体調不良などを引き起こすこともあります。

「学校に行けばまたいじめられるかもしれない」「先生に相談しても何も変わらないかもしれない」といった思いが強くなると、学校に行くこと自体が大きなストレスとなるでしょう。

その結果、朝起きられなくなったり体調が悪くて学校に行けなくなったりして、不登校につながってしまうのです。

いじめが原因の不登校のサイン

いじめが原因で不登校になる場合、お子さまはさまざまなサインを発しています。

保護者様は、これらのサインに早期に気づき、適切な対応を取ることが大切です。

早期発見は、お子さまの苦しみの軽減や、不登校の長期化を防ぐことにつながります。

いじめを受けているお子さまが、直接的に「いじめられている」と訴えることは難しいものです。

しかし、言動や心身の状態などがそのサインとなることがあります。

これらのサインは、いじめの内容や程度、お子さまの性格などによって異なりますが、以下のようなものが代表的です。

①心身の変化

以前に比べて元気がない、食欲がない、眠れない、朝起きられない、体調不良を訴える(腹痛、頭痛など)、イライラしている、落ち着きがないなど。

②行動の変化

学校の話を避ける、持ち物を隠す、お金を要求する、服装や持ち物が変わる、友達との付き合い方が変わる、家に引きこもるなど。

③言葉の変化

口数が減る、暗い言葉を使う、特定の人物や場所を避ける、感情の起伏が激しくなるなど。

これらのサインは、必ずしもいじめが原因とは限りませんが、複数当てはまる場合はいじめの可能性を疑ってみましょう。

保護者様は、お子さまの様子を注意深く観察し、もし気になるサインがあれば、優しく話を聞き、状況を把握することが重要です。

いじめや不登校がその後の人生に及ぼす影響

いじめや不登校がその後の人生に及ぼす影響

いじめや不登校は、お子さまのその後の人生に影響を及ぼす経験です。

それが、いじめや不登校を避けたい理由の一つでもありますよね。

ここでは、いじめや不登校がその後の人生に及ぼす影響について、大きく3つに分けて解説します。

  1. 心身への影響
  2. 社会性への影響
  3. 学習や進路への影響

①心身への影響

いじめや不登校は、お子さまの心身に深刻な影響を及ぼし、その影響は長期にわたる可能性があります。

いじめによる精神的な苦痛は、お子さまの自己肯定感を著しく低下させ、「自分は価値のない人間だ」「自分は誰からも必要とされていない」といった否定的な感情を抱かせてしまうことがあります。

このような状態が長く続くと、不安障害やうつ病などの精神疾患を発症するリスクが高まるのです。

特に、いじめの経験がトラウマとなり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するケースも報告されています。

PTSDは、過去の出来事を繰り返し思い出したり、悪夢を見たり、特定の状況を避けたりするなどの症状が現れることが特徴です。

また、不登校によって生活リズムが乱れると、睡眠障害や食欲不振を引き起こすことがあります。

不規則な生活は自律神経のバランスを崩し、免疫力の低下にもつながるため、さまざまな病気にかかりやすくなってしまうでしょう。

保護者様は、お子さまの心身の変化に注意し、必要に応じて専門機関に相談するなど、適切なサポートを行うことが重要です。

②社会性への影響

いじめや不登校は、お子さまの社会性の発達にも影響を及ぼす可能性があります。

人間関係を築くことへの苦手意識や社会への不適応、孤立感などが生じ、将来の社会生活に支障をきたしてしまうのです。

学校は、お子さまにとって社会性を育む大切な場です。

友人との関わりを通して、コミュニケーション能力や協調性、他者への配慮などを学んでいます。

しかし、いじめや不登校を経験すると、人間関係を築くことへの苦手意識や不安感が強くなり、社会への適応が難しくなることがあります。

特に、長期間の不登校はお子さまの社会経験の機会を奪い、孤立感を深めさせてしまいます。

社会とのつながりが希薄になることで自己肯定感が低下したり、将来への不安が増大したりすることもあるため、注意が必要です。

いじめや不登校は、お子さまと社会のつながりを消失させてしまう可能性があるものです。

③学習や進路への影響

いじめや不登校は、お子さまの学習面や進路選択にも大きな影響を及ぼします。

学習が遅れるだけでなく、進路選択の幅が狭まったり就職活動での困難などが生じたりするケースもあります。

不登校になると授業を受けられなくなり、学習の遅れが生じますよね。

特に長期間の不登校は学習の遅れを深刻化させ、進級や卒業に影響が出る場合もあります。

また、不登校の経験は進路選択にも影響を与えます。

高校受験や大学受験、就職活動などで不利になるのではないかという不安を抱えたり、出席日数や学力の関係から、希望する進路に進むことを諦めざるを得ない状況に陥ったりすることもあります。

いじめや不登校は、お子さまの学習面や進路選択にも大きな影響を与えるものです。

保護者様は、お子さまの学習状況を把握し、学習の遅れを最小限に抑えるためのサポートができるよう心がけましょう。

下の記事では、いじめがその後の人生に与える影響や後遺症について詳しく解説しています。克服法とあわせてご覧ください。

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いじめや不登校に関する文部科学省の対策

いじめや不登校に関する文部科学省の対策

深刻な問題であるいじめや不登校に関して、文部科学省はさまざまな対策を実施しています。

中には、スピード感を持って取り組まれている対策・施策もあり、いじめや不登校の問題がそれだけ重大であることを表していると言えるでしょう。

ここでは、文部科学省が推進する以下の3つの対策について、わかりやすく解説します。

  1. いじめ防止対策推進法
  2. COCOROプラン(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)
  3. 緊急対策パッケージ

①いじめ防止対策推進法

いじめ防止対策推進法は、いじめの防止、早期発見、及びいじめへの対処のための基本的な枠組みを定めた法律です。

学校や家庭、地域社会が一体となって、いじめの防止に取り組むことを目的としています。

いじめは、お子さまの心身の発達に深刻な影響を与える重大な問題です。

従来の対策では十分な効果が得られない状況を受け、平成25年に「いじめ防止対策推進法」が制定されました。

具体的には、以下のような内容が定められています。

  • いじめの定義の明確化
  • 学校の責務

いじめの防止のための対策を講じ、いじめを早期に発見し、適切に対処する体制を整備する。

  • 教育委員会の責務

学校におけるいじめ防止のための対策を支援し、地域におけるいじめ防止のための体制を整備する。

  • 地方公共団体の責務

いじめ防止のための施策を策定し、実施する。

  • 保護者の責務

子どもの状況を把握し、学校と連携していじめの防止に努める。

文部科学省はこの法律に基づき、いじめの未然防止や早期・早期対応のためのさまざまな施策を推進しています。

②COCOROプラン(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)

COCOROプラン(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)は、不登校のお子さま一人ひとりに寄り添い、その状況に応じた多様な学びの場を保障するための取り組みです。

不登校の背景は多様であり、お子さま一人ひとりの状況に合わせた支援が必要です。

従来の画一的な対応では、不登校の根本的な解決につながらないという課題を受け、令和4年3月に策定されたのが「COCOROプラン」です。

具体的には、以下のような取り組みが進められています。

  • 学びの多様化学校(不登校特例校)の設置促進

不登校の子どもに特化した教育課程を編成する学校の設置を促進し、子どもの状況に合わせた柔軟な学びの場を提供する。

  • 校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム)の設置

学校内に、子どもが安心して過ごせる居場所を設け、個別の学習支援や相談などを行う。

  • 教育支援センターの機能強化

教育委員会が設置する教育支援センターの機能を強化し、不登校の子どもや保護者への相談支援体制を充実させる。

  • ICTを活用した支援

一人一台端末を活用し、子どもの心身の変化を早期に発見し、適切な支援につなげる。

COCOROプランでは、不登校のお子さまの「学びの多様化」と「心のケア」を一体的に推進することを目標としています。

③緊急対策パッケージ

緊急対策パッケージは、児童生徒のSOSに迅速に対応するために令和4年12月に策定された対策です。

上記のCOCOROプランを一部改訂・前倒しする形で実施されています。

具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

  • SNS相談体制の強化
  • スクールカウンセラー等の配置充実
  • 関係機関との連携強化
  • いじめの早期発見・早期対応の徹底

いじめや不登校の問題は、早期対応が求められることがあります。

緊急対策パッケージでは、お子さまのSOSを早期にキャッチし、適切な支援につなげることを目指しています。

いじめによる不登校解決のために親ができること

いじめによる不登校解決のために親ができること

いじめや不登校、またはいじめによる不登校が起きたとき、保護者様は対応に悩んでしまいますよね。

文部科学省によってさまざまな対策がとられていることは理解していても、「まずは目の前の我が子に、家庭で何ができるだろう?」と考えてしまうのは、自然な感情です。

ここでは、いじめによる不登校解決のために保護者様ができることについて、8つご紹介します。

  1. 早期発見・対応を心がける
  2. 家庭で安心して過ごせるようにする
  3. 再登校を焦らない
  4. 学校と連携する
  5. 学習を継続する
  6. 転校を検討する
  7. 学校以外の居場所を作る
  8. 専門的なサポートを受ける

①早期発見・対応を心がける

お子さまがいじめによる不登校に至るのを防ぐためには、早期発見と迅速な対応が不可欠です。

保護者様は、お子さまの些細な変化に気づき、いじめの兆候を見逃さないように注意深く見守ることが重要です。

いじめは、早期に発見し適切に対応することで深刻化を防ぎ、心身への影響を最小限に抑えることができます。

お子さまは、いじめられていることをなかなか言い出せない場合も多いため、行動の変化や心身の不調など、間接的なサインを見逃さないようにできるとよいでしょう。

早期に対応するためには、まずお子さまの話をじっくりと聞き、状況を把握することが大切です。お子さまの気持ちを受け止め、安心感を与えながら、事実関係を確認します。

その後、学校と連携するなど、解決に向けて具体的な対応を進めていきます。

いじめによる不登校を防ぐためには、早期発見・対応が非常に重要です。

②家庭で安心して過ごせるようにする

いじめを受けているお子さまにとって、家庭は唯一の安心できる場所です。

保護者様はお子さまが家庭で安心して過ごせるように温かい雰囲気を作り、心の拠り所となることが大切です。

いじめを受けているお子さまは、心に大きな傷を負っています。

学校で辛い経験をしているお子さまにとって、家庭は唯一心安らげる場所でなければなりません。

保護者様は、お子さまの気持ちを受け止め、寄り添うことで、心の回復をサポートしていきましょう。

具体的には、お子さまの話をじっくりと聞く、お子さまの気持ちを否定しない、お子さまの頑張りを認めるといった対応をとれるとよいですね。

お子さまがリラックスできる環境を整え、好きなことをしたり、ゆっくり休んだりする時間を用意することも効果的です。

家庭は、お子さまにとって最も安心できる場所です。

保護者様は、お子さまが家庭で安心して過ごせるように環境を整えてあげましょう。

③再登校を焦らない

いじめが原因で不登校になった場合、再登校を焦ることは逆効果になることがあります

お子さまのペースに合わせて、段階的にサポートすることが大切です。

いじめで傷ついたお子さまの心は、すぐに回復するものではありません。

無理に学校に行かせようとすると、お子さまはプレッシャーを感じ、精神的に追い詰められてしまう可能性があります。

その結果、再び不登校になってしまうリスクも否定できません。

保護者様は、お子さまのペースに合わせてサポートできるとよいですね。

まずは、お子さまの気持ちを受け止め、学校に行かないことを責めないことが重要です。

その後、学校との連携を密にしながら、少しずつ学校生活に戻れるようにサポートしていくことが大切です。

④学校と連携する

いじめによる不登校を解決するためには、学校との連携が不可欠です。

学校と情報を共有し、協力して対応することで、お子さまの状況改善につながる可能性が高まるでしょう。

いじめは学校内で起こっている問題であり、学校側もその対応に責任を負っています。

学校が連携することで、いじめの事実確認や加害者への指導、被害者へのケアなど、より効果的な対応が可能になります。

具体的には、お子さまの状況を学校に伝え、いじめの事実関係について調査を依頼したり、今後の対応について協議したりすることが大切です。

学校の対応に不満がある場合は、教育委員会や相談機関などに相談することも検討しましょう。

保護者様は、学校と密に連携を取り、お子さまの状況改善に向けて協力していくことが大切です。

⑤学習を継続する

不登校期間中も学習を継続することは、学力維持だけでなく、お子さまの精神的な安定にもつながります。

不登校期間が長引くと学習の遅れが大きくなり、再登校へのハードルが高くなることがあります。

実際、文部科学省の調査によると、「最初のきっかけとは別の学校に行きづらくなる理由」の上位は、小・中学生ともに「勉強が分からない」となっています。

(参考:文部科学省 令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要

家庭学習やオンライン学習などを活用し、学習を継続することで、お子さまは生活リズムを維持できるだけでなく、自己肯定感を保つことができるでしょう。

継続した学習は、再登校の準備にもつながります。

保護者様は、お子さまの状況に合わせて、無理のない範囲で学習をサポートしていくことが大切です。

⑥転校を検討する

いじめが深刻な場合や、学校との関係が修復困難な場合は、転校を検討することも選択肢の一つです。

いじめの状況によっては、同じ学校に通い続けることがお子さまにとって大きな精神的負担となる場合があります。

小学生のお子さまであれば、加害者と同じ中学校に進学する可能性もあるでしょう。

また、学校側の対応に不信感を抱いている場合、修復することが難しいケースもあります。

転校は、環境を変えることで、お子さまが新たな気持ちで学校生活を送るきっかけとなる可能性があります。

ただし、転校は大きな環境の変化であるため、お子さまとよく話し合い、慎重に検討する必要があります。

⑦学校以外の居場所を作る

転校以外にも、学校以外の居場所を作るという対応をとることもできます。

安心できる居場所があることは、お子さまの心の安定と成長を支える上で非常に大切です。

学校がつらいと感じているお子さまにとって、家庭以外に安心して過ごせる場所があることは、精神的な支えとなります。

学校以外の居場所は、お子さまにとって「逃げ場」であり「新たな可能性を発見する場所」でもあります。

たとえば、フリースクールや教育支援センター(適応指導教室)は不登校のお子さまに理解があり、同じような境遇のお子さまが多数在籍しています。

特に教育支援センターは、利用することで学校出席とみなされる可能性が高いため、進路のために出席日数を確保しておきたいお子さまにもおすすめです。

いじめや不登校を経験したお子さまにとって、学校以外の居場所を作ることは心の健康のためにも大切です。

⑧専門的なサポートを受ける

いじめや不登校は、お子さまにとって大きな心の負担となります。

保護者様だけで抱え込まず、専門家の力を借りることで、より適切な支援を受けることができます。

具体的には、以下のような専門機関・サポートが挙げられます。

  • スクールカウンセラー
  • 児童相談所
  • 病院(精神科・心療内科)
  • 民間の相談機関・オンラインカウンセリング

自傷行為がある場合や発達面で気になる点がある場合は、病院を受診しましょう。

現時点でそのような悩みはなく、いきなり児童相談所や病院を頼ることに抵抗がある場合、学校に在籍しているスクールカウンセラーを頼ってみるのがおすすめです。

学校と連携して対応にあたってくれるほか、保護者様も相談することができます。

病院とは異なり、料金がかからないのも安心できるポイントです。

しかし、不登校のお子さまの場合は、相談のために学校に出向くこと自体が難しい場合もありますよね。

そのようなときは、自宅にいながら利用できるオンラインカウンセリングも一つの方法です。

場所や時間の面において自由度が高く、相談への精神的なハードルを下げることができるでしょう。

下の記事では、いじめ問題への対処法についてさらに詳しくご紹介しています。困ったときの相談先も取り上げているので、ぜひ活用してくださいね。

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いじめや不登校の悩みは「不登校こころの相談室」へ

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いじめと不登校は密接な関係にあり、国を挙げて対策に乗り出すほど重要な問題です。

何か対応をとったからと言ってすぐに目に見えた効果が表れるほどシンプルな問題ではないため、保護者様は手探りな日々が続くかもしれません。

しかし、どのようなときもお子さまを受け止め、安心感を与えてあげることが大切です。

いじめや不登校は、お子さまだけでなく保護者様の悩みも尽きないことでしょう。

「不登校こころの相談室」では、お子さまや保護者様のニーズに合った心の専門家が問題解決をサポートします。

悩みを聞いてもらったり、一緒に解決を目指してくれる人がいるという安心感が問題解決につながることもあります。悩んだときは、ぜひ「不登校こころの相談室」へご相談くださいね。

執筆:maple

フリーランスライター。大学院での研究や心理士としての勤務経験、自身の子育て経験をもとに、教育やメンタルヘルスに関する記事を多数執筆。専門分野は、心理療法と精神疾患。最新のデータや論文などの一次情報を正しく取り扱うこと、読者に安心感を届けることをモットーに活動中。

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