目次
母子分離不安とは?自然な発達の一部なのか

お子さまが母親と離れる状況に強い不安を感じる「母子分離不安」。登園や登校を嫌がる、母親の姿が見えなくなると泣き叫ぶといった行動が見られると「どうして?うちの子だけ?」と悩む母親は少なくありません。
ここでは、母子分離不安の定義や症状、長期化した場合の影響ついて詳しく解説します。
母子分離不安の概要
母子分離不安とは、子どもが母親や主な養育者と離れることに対して強い不安を感じる状態を指します。大抵は、成長の過程で一時的に見られるケースが多いでしょう。しかし、不安が過度に強い場合は、登園・登校できないなど日常生活に支障をきたす場合もあります。
- 幼児期(1〜5歳ごろ)
この時期は、母親が見えなくなると泣いたり、強くしがみついて離れなかったりする場合がよくあります。特に、初めての集団生活(保育園や幼稚園)が始まると、母親と離れる状態に対しての不安が顕著に表れるケースがあるでしょう。
- 学童期(6〜12歳ごろ)
小学校に入ると、ある程度自立した行動が求められます。しかし、母子分離不安が強い場合、登校を極端に嫌がったり、学校生活に適応できなかったりするケースもあるでしょう。「お母さんがいなくなるのでは?」と不安になり、必要以上に母親の行動を気にします。
- 思春期(13歳以上)
思春期でも母子分離不安が続く場合、対人関係の不安や母親への強い依存心が考えられます。学校に行けなくなるだけでなく、外出そのものを嫌がるケースもあり、親子共に精神的なストレスが増します。
お子さまが母親から離れるのを不安に思ったり、姿が見えなくなると泣いてしまったりするのは正常な発達です。しかし、年齢が進んでも症状が強かったり長期間続く場合は「分離不安障害・分離不安症」と診断され、専門的なメンタルケアが必要になるケースもあります。
母子分離不安の主な症状
母子分離不安を抱えるお子さまには、母親と離れる強い不安がさまざまな形で現れます。その症状の程度や現れ方には個人差があるものの、共通して見られる行動や反応があります。
1. 朝の登園・登校を嫌がる
登園・登校の時間が近づくにつれて不安が高まり、朝の時間がスムーズに進みません。「行きたくない」と繰り返し訴えるほか、着替えや歯磨きなどの準備をせず、玄関で動かない日もあるでしょう。週末は元気に過ごせるのに、平日の朝になると体調不良を訴える特徴があります。
2. 母親の姿が見えなくなると泣き叫ぶ
母親がトイレに行くだけでも追いかけたり、ほんの数分間でも姿が見えなくなると泣き叫んだりします。保育園や学校で母親と離れる際、強く抵抗するお子さまもいます。
これは単に甘えているのではなく「母親がいなくなったらどうしよう」といった恐怖感に駆られているためです。
3. 夜眠るのを怖がる
「お母さんと一緒じゃないと眠れない」と訴えるなど、1人で寝ることに対して強い抵抗があります。寝かせようとすると泣いたり、布団に入ってもなかなか寝付けなかったりする場合が多いでしょう。夜中に何度も目を覚まし、母親の姿を確認するときもあります。「怖い夢を見た」「暗いのが怖い」と理由をつけるのは、母親と離れる状況への不安が大きいためです。
4. 身体症状(腹痛・頭痛)を訴える
登園・登校の前に「お腹が痛い」「頭が痛い」と体調不良を訴えます。これは、心理的な不安が身体に影響を与えると考えられます。病院で受診しても、これといった異常は見つかりません。学校を休むと元気になり、翌朝になるとまた症状が出ます。
これらの症状が一時的なものであれば、成長とともに自然に落ち着くケースも多いでしょう。しかし、長期化して日常生活に支障をきたしている場合は、専門家への相談も検討してください。
母子分離不安が長期化したら
母子分離不安が長期化すると、お子さまの成長や生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
1. 学校や社会生活に適応しにくくなる
登校しづらくなり、学習の遅れや友人関係の構築が難しくなります。自信を失い、集団の中での居場所を見つけにくくなるケースもあるでしょう。
2. 自立が遅くなる
母親への依存が強くなり、自分で考えたり行動したりする力が育ちにくくなる場合があります。新しい環境への適応が難しくなり、不安を感じやすくなります。
3. 精神的な問題を抱えやすくなる
不安やストレスが蓄積し、自己肯定感の低下や、思春期以降の対人関係に問題を抱える場合があります。
母子分離不安が長引くと「分離不安障害・分離不安症」と診断され、お子さまだけでなく、母親の精神的な負担も大きくなります。そのため、適切な対処を早めにするのが重要です。
母子分離不安については、以下の記事さらに詳しく解説しています。
- こちらもチェック
-
母子分離不安とは?原因・症状・具体的な対応までわかりやすく解説します
朝の登校前にお子さまが泣き出したり、小学校の門前で保護者様から離れられなくなったりすることはないでしょうか。 お子さまのこうした様子が続くと、「これって普通?」と不安になってしまいますよね。 お子さま...
続きを見る
母子分離不安の主な原因

「なぜ、うちの子だけ?」そう感じて悩んでいる保護者様も多いでしょう。母子分離不安は、決して母親の育て方だけが原因ではありません。実は、お子さまの発達段階や気質、環境の変化など、いくつもの要因が重なって起こることが多いのです。
ここでは、母子分離不安の代表的な原因を7つに分けて、わかりやすく解説します。
①発達段階によるもの
母子分離不安は、成長の一過程として自然に起こることがあります。特に1歳半〜3歳頃は、母親や養育者との関係がとても大切な時期です。この時期のお子さまにとって、母親は安心できる世界そのもの。
だからこそ、「ママがいなくなったらどうしよう」という不安を抱くのはごく普通のことです。大人にとっては小さな変化でも、お子さまにとっては大きな安心の源がなくなるように感じるのです。
②子どもの気質や性格
もともとの性格や気質も、母子分離不安の強さに影響します。慎重で敏感なタイプのお子さまは、新しい環境や人に慣れるのに時間がかかるため、不安が強くなりやすい傾向があります。
一方で、好奇心旺盛なお子さまは比較的スムーズに順応できることもあります。「うちの子だけ…」と焦らず、その子に合ったペースを大切にしましょう。お子さまの気質に合わせたサポートが、不安の軽減につながります。
③環境の変化(入園や引っ越しなど)
お子さまにとって、「いつも通りの環境」は安心のよりどころです。しかし、保育園や幼稚園の入園、引っ越し、親の仕事復帰など、生活リズムの大きな変化は強い不安を引き起こします。
とくに登園・登校前では、これまで一緒だった母親と長時間離れることになり、「お母さんは戻ってくるの?」という不安が強まります。また、引っ越しや転校で慣れた家や友達がいなくなると、「知らない場所」「知らない人」が増え、母親への依存が高まります。
こうした変化は、大人が思う以上にお子さまの安心感を揺るがすもの。対応のコツは、事前に写真や会話で新しい環境を伝え、「見通し」を与えてあげることです。
④過去の不安な体験やトラウマ
過去の出来事が、お子さまの「母親と離れる不安」を強めているケースもあります。たとえば、迷子になった経験や、病院で長期間母親と離れた体験などです。こうした記憶は、「またあのときみたいになったらどうしよう」という不安を生み、母親と離れることへの強い抵抗につながります。
この場合、無理に「大丈夫だよ」と説得するのではなく、「怖かったね」「よく頑張ったね」と気持ちを受け止めることが安心感につながります。
⑤親の過保護や過干渉
親が先回りして何でもやってしまうと、お子さまが「自分でできる」という感覚を持ちにくくなります。「危ないからやめて」「ママがいないと大変でしょ?」といった声かけが続くと、お子さまは「一人では無理」と思い込みやすくなるのです。
大切なのは、安心感を与えながら、少しずつ「自分でやってみる」経験を増やすこと。できたことを褒め、失敗しても責めない姿勢が、お子さまの自信と安心感を育てます。
⑥親の不安や心理状態
母親が抱える不安や緊張は、お子さまに驚くほど伝わります。「泣いたらどうしよう」「ちゃんとできるかな」と心配する気持ちは自然なことですが、こうした空気はお子さまにとっても不安のサインになります。
まずは保護者様自身が気持ちを整えることが大切です。深呼吸をしてから送り出す、短時間でも自分のリフレッシュ時間を作るなど、母親の安心が、お子さまの安心につながります。
⑦発達障害との関係(ASDやADHD)
母子分離不安が長く続く、あるいは極端に強い場合、発達障害の特性が影響していることもあります。たとえば、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さまは環境の変化に強い不安を感じやすく、ADHDの場合は気持ちの切り替えが難しいため、別れ際にパニックになることがあります。
こうした場合は、専門家への相談を検討しましょう。カウンセリングや医療機関のサポートによって、お子さまの特性に合った対応が見つかることがあります。
母子分離不安と発達障害については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
- こちらもチェック
-
母子分離不安と発達障害の関係性は?対処法を分かりやすく解説します
お子さまが母親をはじめとした主な養育者と離れることを強く拒む「母子分離不安」。 実はこの不安、発達障害や自閉症(自閉スペクトラム症)のお子さまにもよく見られます。 「なぜうちの子はここまで不安が強いの...
続きを見る
母子分離不安が母親のせいといわれる理由

母子分離不安は、なぜ「母親のせい」といわれやすいのでしょうか?
実際には母親だけが原因ではありませんが、そう考えられがちな背景にはいくつかの理由があります。
①過保護・過干渉が影響すると考えられがちだから
「母親が子どもを甘やかし過ぎると、分離不安が強くなる」といわれる場合があります。しかし、すべての母子分離不安のあるお子さまが過保護な環境で育つわけではなく、生まれつきの気質や環境要因も影響すると考えられるでしょう。
②社会的な偏見があるから
「子どもが母親と離れられないのは、母親の育て方のせい」といった先入観もあるでしょう。特に日本では、主に母親が子育ての役割を担っているため、母親の関わりが子どもの成長に大きな影響を与えると考えられがちです。
③母親が罪悪感を抱きやすいから
我が子がまわりに比べて成長が遅いと感じると、その原因を自分の育て方にあるのではないかと考え罪悪感を抱いてしまう母親も少なくありません。しかし、母子分離不安はさまざまな要因が絡み合って発生するものであり、母親の育て方だけが原因ではありません。
④ストレス要因が関係しているから
母子分離不安は、家庭環境などのストレス要因(転校、家族の変化、引っ越しなど)が影響する場合もあります。新しい環境に適応しなければならない不安から、母親と離れることに強く抵抗するケースも考えられます。
母子分離不安が見られると「母親がもっとしっかりしなければ」と思ってしまうかもしれません。しかし、大切なのは「母親のせい」と責めるのではなく、どのようにサポートすればお子さまが安心できるかを考えることです。
母子分離不安を軽減する5つの対処法
母子分離不安は成長の過程で自然に軽減するお子さまもいれば、長期化すると日常生活に支障をきたすお子さまもいます。母親が「なんとかしなければ」と焦ると、お子さまの不安がさらに強くなる場合もあるでしょう。
対処法としては、お子さまの気持ちを受け止めながら、無理のない範囲で自立を促し、安心できる環境の整備です。ここでは、具体的な5つの対処法について解説します。
①適切な対応方法を知る
母子分離不安があるお子さまに対して、無理に母親から離れさせるのは逆効果になる場合があります。急に環境を変えようとするのではなく、少しずつ自立を促す必要があります。
- 短時間の分離から始める
最初は、数分間だけ別の部屋で過ごすなど、小さなステップを踏んでお子さまの不安が和らげていきます。
- 「行ってくるね」と伝えてから離れる
何も言わずに突然離れると、不安が強くなります。具体的な帰宅時間を伝えるなどして、お子さまに見通しを持たせてあげましょう。
- 成功体験を積み重ねる
「お母さんがいなくても大丈夫だった」という経験を積み重ねると自信がついていきます。少しの時間でも母親と離れられたら、しっかりとお子さまの気持ちを受け止め認めてあげてください。
お子さまが母親と離れる状況に不安を感じるのは自然なことです。その気持ちを否定せず、受け止める姿勢がお子さまの安心感につながります。
②専門家のサポートを活用する
母子分離不安が長引き母親の負担が大きくなっている場合、お子さまの状態に合わせて専門家のサポートを活用するといいかもしれません。適切な支援で不安の原因が整理でき、お子さまにとっての安心安全の場所を整えられます。
- 体調不良が続く場合は小児科へ
母子分離不安のお子さまは、不安が強くなると「お腹が痛い」「頭が痛い」といった身体症状を訴える場合があります。これは、心理的なストレスが身体に現れていると考えられるでしょう。ストレスが和らげば、症状は治まる場合もあります。しかし、頻繁に体調不良を訴えるときは、小児科の受診を検討してください。
- 心のケアが必要な場合はカウンセリングを
母子分離不安は、お子さまが不安を抱えるだけでなく、母親にも精神的な負担を与えます。お子さまが登園や登校を嫌がるたびに「どうすればいいのかわからない」「育て方が間違っていたのかもしれない」と悩む母親も多いでしょう。カウンセラーは、お子さまの話を聞くのはもちろん、母親の悩みや不安にも寄り添ってくれます。カウンセリングで母親の不安が和らぐほか、お子さまとの適切な関わり方がわかるでしょう。
- 登校方法を相談する場合はスクールカウンセラーへ
学校に通うのが難しい場合、スクールカウンセラーに相談すると、登校支援や学校との調整がしやすくなる場合もあります。お子さまの学校での不安を聞き取り、対策を一緒に考えてくれるでしょう。担任の先生と連携し、お子さまにとって負担の少ない登校方法を検討できるかもしれません。家庭だけで解決しようとせず、学校側と協力しながらの対応が大切です。
母子分離不安は、専門家から適切なサポートを受ければ、不安を和らげながら状況を改善していく糸口が見つかります。母親だけで解決しようとせず、必要に応じて専門家への相談を検討してください。
心の負担をひとりで抱え込まず、安心して話せる場を持つことは大切です。以下の記事では母子分離不安とカウンセリングについてくわしく解説しています。
- こちらもチェック
-
母子分離不安にカウンセリングが効果的な理由は?進め方を詳しく解説します
お子さまが「お母さんと離れたくない」と強く訴えたり、登園や登校を嫌がったりする様子に、どう対応すればよいのか悩んだ経験はないでしょうか。 母子分離不安は、子どもの成長の中で一時的に見られることも...
続きを見る
③家庭を安心安全の場所にする
母子分離不安を和らげるためには、お子さまが「家庭は安心できる場所だ」と感じられることが重要です。母親だけで対応しようとせず、家族全体で協力しお子さまの不安を受け止めながら自立を促す環境を整えていきましょう。
お子さまが母親に強く依存している場合、母親以外の家族との関わりを増やすのも効果的です。父親や祖父母の積極的な関わりで「お母さんがいなくても安心できる時間」が少しずつ増えていきます。お子さまは、母親以外の方にも信頼を寄せられるようになるでしょう。
大切なのは、無理に引き離そうとせず「お母さんがいなくても大丈夫」とお子さま自身が思える環境を整えることです。家庭が安心できる場所で母親からの愛情をしっかりと感じ取れれば、お子さまの心の緊張が和らぎ、母親と離れる状況に対する不安も少しずつ減っていきます。
④遊びや活動を通じて安心感を育てる
母子分離不安を軽減するためには、お子さまが「母親と離れても楽しい」と感じられる経験を増やすのも重要です。
たとえば、公園や児童館でほかのお子さまと遊ぶのが楽しいと感じられると、母親を意識する時間が減り遊びに集中できるようになります。また、習い事やグループ活動に参加できれば「母親がいなくても大丈夫だった」という成功体験につながります。
最初は母親がそばで見守り、少しずつ距離を取るようにすればお子さまの不安も徐々に和らいでいくかもしれません。遊びのなかで「楽しい」気持ちを優先しながら、母親と離れることへの抵抗感を少しずつ減らしていきましょう。
⑤母親自身のリラックスを心がける
母子分離不安のお子さまと向き合う母親は、常に気を張っている状況が多く、精神的な負担が大きくなりがちです。しかし、母親の不安や焦りはお子さまにも伝わりやすく、かえって不安を強める要因になる場合があります。
母親がリラックスしていると、お子さまの心は安定するものです。趣味を楽しんだり友人と会話する時間を作ったりして、気持ちのリフレッシュを意識しましょう。また、短時間でも1人で外出するのもいいかもしれません。
「自分が安心していると、子どもも安心する」という関係を意識し、リラックスできる時間を確保しましょう。
母子分離不安を克服するために大切な3つのポイント
母子分離不安を克服するためには、お子さまの気持ちを尊重しながら、無理のない範囲で自立を促していく必要があります。しかし、母親が不安を抱えたままでは、お子さまの気持ちにも影響を与えてしまいます。
母親は、焦らずに我が子の成長を見守り、周囲と協力しながら親子ともに安心できる環境を整えていきましょう。ここでは、主に母親の不安を和らげるポイントをお伝えします。
母親の心のケア
母子分離不安が長引くと「私の育て方が悪かったのでは?」「もっとしっかりしなければ」と自責の念に駆られるときがあります。しかし、母子分離不安は母親だけの責任ではなく、以下の要因も考えられます。
- もともとの性格や気質の影響
- 転校や引越しなどの環境変化
- 過去の体験やトラウマ
- 両親の離婚や別居など家庭内の不和
「母親のせい」と思い込むと、母親は精神面で疲弊してしまい心の余裕を失ってしまうでしょう。母親の心のケアは、子どもの分離不安の改善においても重要なため、1人で抱え込まないことが大切です。母親の心の健康を保つためには、以下が効果的です。
- 家族の協力を得て外出する時間を作る
- 趣味や好きなことに没頭する時間を確保する
- 信頼できる方に相談し自分の気持ちを整理する
母親が安定した気持ちでいると、お子さまの安心感にもつながります。「お母さんが楽しそうにしていると、自分も安心する」というお子さまは多いものです。無理をせず、自分のケアを大切にしましょう。
焦らずに成長を見守る
母子分離不安は、短期間で解決できるものではありません。焦って無理に離れさせようとすると、逆にお子さまの不安が強くなる場合があります。
- 「今は不安を感じても大丈夫」と、お子さまの気持ちを受け止める
- 無理に登園・登校を促すのではなく、少しずつ慣れさせる
- お子さまのペースにあわせて、徐々に環境を整えていく
保護者様が「すぐに直さなければ」と焦るほど、お子さまもプレッシャーを感じやすくなります。母子分離不安を克服するためには、お子さまが母親の愛情をしっかりと感じ取り「お母さんがいなくても大丈夫」と思えるようになることが大切なのです。そのためには、以下のような小さな成功体験を積み重ねていくのも効果的でしょう。
- 短時間の分離から始める
- 1人でできたことを認める
- できなかったことより、できたことに目を向ける
少しずつ成功体験を増やしていけば、お子さまの自信が育ち、母親と離れる不安が和らいでいきます。
周囲と協力しながら対応する
母子分離不安を抱えながらの学校生活では、お子さまも保護者様も大きな不安を感じやすいものです。そのため、母親だけで問題を抱え込まず、学校や家族など周囲の協力を得ながら対応することが大切です。
- 担任の先生に相談し、お子さまの様子を共有する
- 無理のない範囲で登校できる方法を一緒に考える
- スクールカウンセラーや適応指導教室を活用する
学校の協力を得ると、家庭だけでの対応よりもスムーズに進む場合が多くあります。また、父親や祖父母など家族全体の協力体制が整っていればより心強いでしょう。
- 父親が積極的に関わる
- 祖父母や親戚と交流し、母親以外の方にも慣れる機会を作る
- 家族全体で安心できる雰囲気を作る
家族の協力が得られると、お子さまの母親に対する依存度が徐々に分散されます。これにより、母親の精神的・身体的な負担の軽減が期待できるでしょう。そして何より、お子さまが多様な人間関係の中で安心して成長できる環境が整っていきます。
母子分離不安への最初の一歩をどう踏み出せばいい?
母子分離不安や不登校に向き合う中で、「私の育て方が悪かったのでは?」「もっとよい対応があったのでは?」と悩む方は少なくありません。ですが、母子分離不安は決して母親のせいではなく、お子さまの気質や環境など、さまざまな要因が影響しています。
大切なのは、母親だけで抱え込まず、周囲のサポートを上手に活用しながら長い目で見守ることです。「不登校こころの相談室」では、母子分離不安や不登校に詳しい臨床心理士・公認心理師などの専門カウンセラーが、オンラインで親子それぞれの気持ちに寄り添い、安心できるサポートを行っています。ご自宅からリラックスして相談できるのも大きな特長です。
さらに、その第一歩としてAI診断をご用意しています。数分で答えられるチェック形式で、お子さまの状況や保護者様自身の気持ちを整理でき、診断結果をもとに最適なカウンセラーをご案内することも可能です。
「このまま抱え込んで大丈夫だろうか」と迷ったときこそ、まずはAI診断から気軽に始めてみてください。