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不登校を解決するには

不登校の昼夜逆転は戻せる?無理なく生活リズムを整えるための6つのポイント

不登校のお子さまをもつ保護者様は「子どもが夜遅くまで起きていて、朝起きない」「昼夜が完全に逆転してしまった」と悩んでいませんか?不登校のお子さまが昼夜逆転してしまうのは、決して珍しいことではありません。

昼夜逆転は、無理に直そうとするとかえって悪化する場合があります。しかし、昼夜逆転が長く続き生活リズムが乱れたままだと、体調不良や集中力の低下を招くだけでなく、社会復帰のハードルが高くなる可能性も。

この記事では、不登校のお子さまが昼夜逆転する原因やその影響、生活リズムを改善するポイントについて詳しく解説します。不登校のお子さまの昼夜逆転に悩んでいる保護者様は、ぜひ参考にしてください。

不登校のお子さまが昼夜逆転するのはなぜ?

不登校のお子さまが昼夜逆転するのはなぜ?

学校へ行かなくなると、お子さまは朝決まった時間に起きる必要はありません。その結果、夜遅くまで起きている生活が定着してしまいます。

学校でのストレスや不安が影響し、夜になると気持ちが落ち着かず眠れなくなるなど、お子さまが夜遅くまで起きているのには、いくつかの理由があります。

昼夜逆転の生活が長引くと、お子さまの心身にさまざまな影響を与え改善が難しくなるケースも。ここでは、不登校と昼夜逆転の関係性や要因について解説します。

不登校と昼夜逆転の関係

不登校のお子さまは、学校へ行かない生活をしているため「朝決まった時間に起きる」習慣が徐々になくなっていきます。最初は、少し夜更かしをする程度でも、次第に寝る時間が遅くなり、気づけば昼夜が逆転してしまうケースは少なくありません。

学校へ通っている場合、朝起きて支度をし、決まった時間に登校するという生活リズムが自然と身につきます。授業や休み時間、放課後の活動を通じて1日のサイクルが整うため、夜になると疲れて眠くなるのが通常です。

しかし、不登校になると、こうした生活の区切りがなくなり昼と夜の感覚が曖昧になってしまうのです。日中に活動する機会が減るため、身体が疲れず夜に眠くならないという悪循環に陥るケースが多いでしょう。

また、学校へ行くことへのプレッシャーやストレスが、朝起きられなくなる原因となっている場合もあります。「行かなければならない」義務感と「行けない」不安感が交錯し、無意識に朝起きることを拒否してしまいます。

この状態が続くと「朝起きられない自分」を責めてしまい、自己肯定感はどんどん低下するばかりです。その結果、生活リズムはさらに乱れてしまうことに

不登校で昼夜逆転が続くと、生活面・精神面において以下のような影響があります。

生活面精神面
・倦怠感や頭痛などがあり朝起きれない
・食事時間が不規則で栄養バランスが崩れる
・体を動かす機会が減り運動不足になる
・疲れやすく集中力が低下する
・人と接する機会が減り孤独感が増す
・取り残された気がして劣等感を持つ
自己肯定感が低下する

このような影響がある不登校の昼夜逆転生活は、長く続けば続くほど日常生活に支障をきたすのはいうまでもありません。

昼夜逆転を引き起こす要因

不登校のお子さまの多くは、日中の活動量が減るため夜になっても眠くなりません。さらに、ゲームに熱中したりスマホの使用時間がが増えたりすると、刺激の強い光(ブルーライト)を浴びる時間が長くなり、脳が覚醒してしまいます。

不登校のお子さまが昼夜逆転を引き起こす要因は、以下が挙げられます。

  • 動画やSNSを見続け、寝る時間が遅くなる
  • ゲームに夢中になり興奮状態が続いている
  • 友達と夜遅くまでオンラインで交流している

このように、生活習慣が乱れた状態が続くと、就寝時間がどんどん遅くなり昼夜逆転が定着してしまいます。

また、学校に行かなくなった理由がストレスや対人関係の不安による場合、夜になると考え込んで眠れなくなるお子さまもいるでしょう。ストレスや不安が原因で眠れなくなるのも、昼夜逆転を引き起こす大きな要因の1つです。

  • 学校や友人関係についての不安が夜に強まる
  • 翌日への不安や緊張で眠れない状態が続く
  • 孤独感や寂しさから夜更かしをしてしまう

不登校による昼夜逆転は、生活習慣の乱れだけではなく、心理的なストレス・環境要因・生活リズムの変化が複雑に絡み合っています。

これらのほかにも、不登校のお子さまが昼夜逆転する要因として、自律神経のバランスが崩れる「起立性調節障害」があげられます。起立性調節障害は思春期のお子さまに多く見られ、以下のような症状がみられます。

  • 朝型の生活リズムを保つのが難しい
  • 起きると立ちくらみやめまいがある
  • 体調不良や疲れやすさが増す
  • 学校生活への不安が強まる

特に、午前中は身体がだるく活動的になれないといった症状がみられるでしょう。起立性調節障害は、適切な診断と専門的な治療が必要な場合もあります。また、家族の理解とサポートが症状の改善を支える大きな力になるでしょう。

不登校の昼夜逆転を改善する6つのポイントとは?

不登校の昼夜逆転を改善する6つのポイントとは?

不登校のお子さまの昼夜逆転を改善しようと、早寝早起きを強制するのは逆効果です。保護者様が焦って無理に生活を戻そうとすれば、お子さまに強いストレスを与えてしまいかねません保護者様には、お子さまの現状を理解しながら段階的に改善を目指す姿勢が求められます。

ここでは、昼夜逆転を改善するための具体的な6つのポイントを紹介します。

①まずは現状を把握する

昼夜逆転を改善するためには、まずお子さまの現在の生活リズムを把握することが大切です。以下の点を記録し、生活のパターンを把握すると改善の手がかりが見つかるかもしれません。

  • 何時頃に眠くなり、何時に就寝しているか
  • 夜は何をしてすごしているか
  • 眠れない理由は何か
  • 朝起きる時間と、起きたあとの体調や気分

生活リズムの乱れには、何かしらの理由があるものです。保護者様がお子さまの心に寄り添い「なぜ昼夜逆転しているのか」を一緒に考える姿勢が、なによりも大切です。

保護者様が、焦らずにお子さまの現状を理解して寄り添っていけば、お子さまのストレスは軽減され生活リズムも徐々に整っていくでしょう。

②朝の習慣を作る工夫

朝日を浴びることは、体内時計を整えるうえで非常に効果的です。睡眠には「メラトニン」というホルモンが関わっています。朝の光には、この「メラトニン」の分泌を抑え、目覚めを促す働きがあるのです。

朝はカーテンを開けて部屋に日光を入れる習慣をつけると、体内時計の調整がしやすいでしょう。可能であれば、朝の散歩や軽い運動を取り入れるのもいいかもしれません。

朝起きる目的がなければ、お子さまはなかなかベッドから出ないもの。起きようとする意欲を持たせるためには「朝が少し楽しい」と感じられる工夫が必要です。

たとえば、お子さまの好きな朝食を用意して起きる楽しみを作るのもいいでしょう。また、ペットの世話を任せるなど、小さな役割を与えるのも効果的です。

③夜の過ごし方を見直す

夜にゲームやスマホを長時間使用すると、ブルーライトの影響で脳が覚醒し寝つきが悪くなります。しかし「ゲームはダメ!」「スマホを見るのをやめなさい!」と急に制限すると、反発を招いてしまいます

保護者様が勝手にルールを決めるのではなく、お子さまと話し合ったうえで夜の過ごし方を見直していくといいのではないでしょうか。

たとえば、就寝1時間前はスマホを見ない習慣をつけたり、ゲームの代わりに読書や好きな音楽を聞いたりしてゲームの使用時間を徐々に減らしていきます。

また、夜にしっかり眠るためには、寝室の環境を整えるのも大切です。

  • 部屋の明かりを暖色系にする
  • 寝る前に温かい飲み物を飲む
  • ゆったりとした音楽を流す

お子さまが夜に考え込んで眠れないときは、親子で軽く会話する時間にするのもいいでしょう。無理に「早く寝なさい」と言うのではなく、安心して眠れる環境を整えながら、お子さまの気持ちに寄り添う姿勢が大切です。

④ 家庭の生活リズムを見直す

家族が夜遅くまで起きていると、お子さまもつられて夜型の生活になりやすいものです。お子さまの生活リズムを整えるためには、以下のように家庭全体の生活リズムを見直す必要もあるでしょう。

  • 家族全員の夜の過ごし方を整える

(テレビやスマホの使用時間を決めるなど)

  • 毎日の食事時間を決める

(夕食の時間が遅くなると、寝る時間もずれやすいため)

  • 寝る前にリラックスできる習慣を取り入れる

(家族で静かに過ごす時間を作る)

家族全員が規則正しい生活を意識すれば、お子さまの生活リズムも自然に整っていくかもしれません。

⑤ 少しずつ睡眠リズムを調整する

昼夜逆転を一気に改善しようとすると、お子さまに負担がかかってしまいます。かえって逆効果になる可能性もがあるため、無理なく少しずつ睡眠リズムを整えていくのが大切です。

具体的には、以下のような方法で少しずつ調整していくとよいでしょう。

  • 就寝時間を15〜30分ずつ早める

(いきなり大幅に変えるのではなく、徐々に調整する)

  • 朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる

(体内時計を整えやすくするため)

  • 昼間の活動を増やす

(散歩や軽い運動を取り入れ、夜になると自然に眠くなる環境を作る)

小さな変化を積み重ねていけば、お子さまは負担を感じることなく自然に生活リズムを整えられます。しかし、これらは不登校になりはじめのお子さまにはストレスになる場合もあるので注意してください。

不登校のお子さまは、心に十分なエネルギーが貯まると自ら動き出していきます。保護者様は焦らず、お子さまのペースにあわせてサポートしていく姿勢が大切です。

⑥社会とつながれる居場所を作る

不登校のお子さまは、安心して過ごせる居場所がなく社会から孤立していると感じやすいものです。自分らしく過ごせる場所や社会とのつながりを持てる場所があると、昼夜逆転生活の改善にもつながるでしょう。

保護者様が一方的に「ここに行きなさい」と決めるのではなく、お子さまの興味や関心に合わせて、無理のないペースで新しい場所に触れる機会を増やしていくといいのではないでしょうか。

たとえば、オンライン上で趣味を共有できるサークルに参加するのも1つの方法です。また、フリースクールなど学校とは違う形で人との関わりが持てる場所もあります。

お子さまには、家族以外の安心できる大人と関わる機会も大切です。家族だけで抱え込まず、第三者とゆるやかなつながりがあれば、 お子さまは「自分は1人じゃない」と感じられるようになります。

昼夜逆転した不登校の子どもへのサポート方法とは?

昼夜逆転した不登校の子どもへのサポート方法とは?

不登校のお子さまの昼夜逆転を改善するには、親の関わり方が大きな影響を与えます。無理に朝早く起こそうとしたり、生活リズムの乱れを責めたりすると、お子さまのストレスが増し、状況が悪化するケースもあります。大切なのは、お子さまの気持ちを尊重しながら、少しずつ生活リズムを整えていくことです。

ここでは、親が意識すべきサポート方法について解説します。

子どもの気持ちを尊重する

昼夜逆転しているお子さまに対して「なんで起きられないの?」と責めてしまうと、さらに自己肯定感が低下し、改善が難しくなる場合があります。昼夜逆転は、怠けやわがままではなく、学校に行けないストレスや環境の変化が関係している場合がほとんどです。

保護者様が頭ごなしに叱るのではなく、まずはお子さまの気持ちの理解に努めてください。

「夜になると眠れなくなるのはどうしてだろう?」「最近、どんなことが気になっているのかな?」と、お子さまが抱える不安や悩みを想像してお子さまの気持ちに寄り添いましょう。

保護者様が「早く生活リズムを戻さなければ」と焦ってしまうと、お子さまは余計にプレッシャーを感じてしまいます。昼夜逆転はすぐに直るものではありません。お子さまが抱えている不安やストレスが和らいでいけば、少しずつ生活は整っていきます。

家族全体で協力する

親が夜遅くまで起きている家庭は、お子さまも夜型になりやすい傾向があります。お子さまの生活リズムを整えるためには、家族が協力する姿勢も大切です。

たとえば、深夜までテレビを見たりスマホを使ったりしないといった家庭のルールを決めるのも効果的かもしれません。家族全体で協力しながら、無理のない範囲で不登校のお子さまの昼夜逆転を戻していくといいでしょう。

昼夜逆転を改善しようとすると、保護者様もストレスを感じやすくなります。「子どもをなんとかしなければ」と強く思い詰めてしまうと、家庭内の雰囲気が悪くなる一方です。保護者様は、以下の点を意識してお子さまをサポートしてください。

  • 生活リズムの改善には時間がかかると理解する
  • すぐに結果を求めず、お子さまのペースに合わせる
  • 親自身のリフレッシュ時間も大切にする

お子さまの生活リズムが戻らずイライラするときは 「完璧に直そうとしない」「子どもが眠っている間に自分のリラックスタイムを作る」 など、自分自身のケアも忘れないようにしましょう。

専門家のサポートを活用する

不登校のお子さまの昼夜逆転を改善するには、家庭だけでの対応が難しい場合があります。保護者様が1人で悩み、無理に改善しようとすると、焦りや不安が強まり、かえって状況が悪化してしまうケースも少なくありません。

不登校のお子さまの昼夜逆転の背景には、ストレスや不安が関係していることが多いものです。お子さま自身も「どうすればよいのかわからない」と感じているかもしれません。そのため、単に生活リズムを正そうとするだけではなく、お子さまの気持ちに寄り添いながらの対応が大切です。

お子さま自身も「このままではいけない」と悩んでいるときや、強い不安やストレスを抱え生活に支障が出ている場合は、専門家の力を借りるのも1つの方法です。一方で、昼夜逆転しながらも元気に過ごし、家庭内での工夫によって改善の余地がありそうなら焦らず見守ることも大切です

不登校専門のカウンセリングで相談するメリット

不登校専門のカウンセリングで相談するメリット

一般的なカウンセリングとは異なり、不登校専門のカウンセリングでは、不登校のお子さまが抱える特有の悩みや状況に精通した専門家が対応してくれます。昼夜逆転の問題に対しても、登校の背景や心理状態を踏まえた適切なサポートを受けられます。

具体的には以下の通りです。

  • 昼夜逆転の原因を一緒に整理できる

不登校による昼夜逆転は、お子さまの気持ちや心理状態と密接に関係しています。「学校へ行かなければいけないのに行けない」「朝起きると罪悪感を感じる」といった感情が影響して昼夜逆転になってしまいます。

このような場合は、何が昼夜逆転を引き起こしているのか、心理的な要因を丁寧に分析してくれるでしょう。専門家の視点から、お子さまの行動パターンや生活環境を多角的に評価し、改善に向けた具体的な方策を提案してくれます。

  • 親子関係の改善方法を提案してくれる

昼夜逆転を改善しようとする際、親子の関係性は重要なポイントです。不登校専門のカウンセラーは、保護者様がどのように接すればお子さまが安心できるのか、具体的なアプローチを提案できます。

無理に早起きをさせるのではなく、お子さまの気持ちを尊重しながら生活リズムを整える方法を教えてくれるでしょう。また、親子のコミュニケーションを分析し、よりよい関係づくりのためのアドバイスも提供してくれます。

  • 保護者様自身のケアもできる

お子さまの昼夜逆転に悩む保護者様は、精神的に疲れてしまい心に余裕がありません。不安やプレッシャーを1人で抱え込んでしまうと、状況は悪化してしまいます。不登校専門のカウンセリングは、お子さまの相談だけではありません。保護者様の気持ちにも寄り添いサポートしてくれるので、心が軽くなります。

  • 長期的な視点でのサポートが受けられる

不登校の昼夜逆転生活の改善には時間がかかります。不登校専門のカウンセリングでは、中長期的な視点での対応策を考え、お子さまの状態に合わせて目標を設定していきます。

このように、不登校専門のカウンセリングを利用すれば、家庭内だけでは気づけなかった視点を得てより適切に対応できます。「お子さまに対してどう接すればいいのか」といった迷いが減り、お子さまへの接し方がスムーズになるでしょう。

「不登校こころの相談室」ができること

「不登校こころの相談室」ができること

不登校のお子さまが昼夜逆転になると、多くの保護者様は焦って改善しようとします。無理に朝早く起こそうとしたり、厳しいルールを設けたりすると、お子さまに強いストレスを与えてしまいかえって逆効果になる場合も。

昼夜逆転を戻すためには、お子さまの気持ちに寄り添いながら少しずつ生活リズムを整えていく姿勢が大切です。そのためには、専門家の力を借りるのも有効な手段の1つです。

家庭内だけで解決しようとすると、保護者様の負担も大きく、対応に悩んでしまう場合もあるでしょう。しかし、専門家に相談すれば、お子さまの昼夜逆転の根本的な原因を整理でき、どのように接すればいいのか具体的な方法が見えてくる場合があります。
不登校こころの相談室」では、不登校に詳しいカウンセラーが、お子さま一人ひとりの状況に合わせた適切なサポートを提供しています。お子さまの気持ちを尊重しながら、保護者様とともに解決策を考えていくことが可能です。1人で悩まず、ぜひ専門家に相談し、お子さまが安心して過ごせる環境づくりを一緒に進めていきませんか

執筆:わたなべ ちかこ

フリーランスライター。 小中学生向けオンライン学習のコラムや、コミュニケーションコーチ&カウンセラーとして活躍する起業家のメルマガなどを執筆。不登校経験のある子どもを持つ母親ならではの視点を活かし、教育や子育てに関するテーマで心に響く記事を届けています。また、取材記事の執筆やWebメディアのディレクションにも取り組み、幅広い分野で活躍中。

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