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いじめで学校が動かない理由

学校にいじめ問題を相談しても動いてもらえないと、保護者様は「なぜ対応してくれないのだろう」と疑問や不満を抱いてしまいますよね。
ここでは、学校側がいじめ問題に対して動かない、代表的な理由を解説します。
いじめを把握できていない
学校がいじめの実態をつかみ切れていない場合、対応が遅れがちになります。
いじめは短い休み時間や死角になりやすい場所で行われることも多く、表面化しにくいのが実情です。
さらに、お子さまが「話したら悪化するかもしれない」と心配して詳しい状況を伝えられていないケースもあります。
こうした状況が重なると、学校側は「トラブルはあるものの、いじめとまでは言えない」と受け止め、行動を慎重にしてしまうことがあります。
対応を判断できていない
いじめと判断するかどうか、校内で意見が揃わずに動きが止まってしまうケースもあります。
いじめと認定すると、加害側への指導や教育委員会への報告など、正式な対応が求められるため、担任だけでなく学年主任や管理職も含めた協議が必要になることが一般的です。
この過程で「もう少し情報を集めたい」「双方の話を確認してから決めたい」という意見が出ると、対応が先延ばしになりやすくなります。
対応に手が回っていない
教職員の多忙さから、いじめ対応に十分な時間を割けていない場合もあります。
学校現場では、授業準備や行事対応、保護者様への連絡など日々の業務が多く、継続的な見守りや聞き取りに時間を確保しにくいのが現状です。
その結果、本来優先すべきいじめ対応であっても、「緊急度の高い事務作業」や「既に決まっている行事準備」が重なると、後回しにされてしまうことがあります。
いじめで学校が動かないときの対応

保護者様は学校が動いてくれない状況に悩むほど、不安が膨らんでしまうでしょう。
しかし、保護者様が状況を整理しながら対応することで、学校側が動いてくれるケースもあります。
ここでは、いじめで学校が動かないときにとれる、主な対応を紹介します。
求める対応を整理して伝える
まずは、保護者様が学校に求めている対応を整理し、明確に伝えることが重要です。
いじめへの対応は幅広く、学校側が「何を求められているのか」を十分に把握できていないと、動きに差が生まれやすくなります。
たとえば「安全確保として席替えをお願いしたい」「休み時間の見守りを強めてほしい」といった具体的な要望は、学校が検討しやすい内容です。
伝える際には、感情的な表現を避けつつ、必要な対応を簡潔にまとめることを意識しましょう。
学校の対応状況と期限を確認する
学校がどこまで対応を進めているのか、いつまでに何を行う予定なのかを確認することも大切です。
学校側は複数の業務を抱えており、対応が後回しになっている可能性も想定されます。
そこで、具体的な期限を共有することで、対応の遅れに気づいてもらいやすくなるのです。
「聞き取りはいつ行う予定でしょうか」「次回の報告は何日にいただけますか」といった確認は、学校側の意識づけにもつながる行動です。
証拠ややりとりを記録として残す
いじめの状況を学校に正しく理解してもらうためには、日々の記録が役立ちます。
お子さまから聞いた内容や、学校とのやりとり、心身の変化などをメモしておくことで、状況を客観的に説明しやすくなります。
また、記録があると教育委員会など外部に相談するときも根拠として用いることができます。
「いつ、どこで、どんなことが起きたのか」を保護者様自身が把握できる点も大きなメリットです。
学校以外への相談を検討する
学校に相談しても状況が進まない場合、別の相談先を検討する必要があります。
たとえば、教育委員会への相談は学校とは異なる視点で状況を確認しやすく、必要に応じて指導が入ることもあります。
状況が停滞していると感じる際には、学校以外の相談先も視野に入れることで、対応の選択肢が広がります。
いじめで学校が動かない場合の相談先

学校だけでは状況が改善しないとき、外部の機関に助けを求めることで動きが変わることがあります。
ここでは、相談先ごとの役割や特徴について、費用も交えながら解説します。
教育委員会
教育委員会は、学校より上位の立場で状況を確認し、必要に応じて学校へ指導を行う機関です。
相談すると、学校が対応の遅れに気づきやすくなり、聞き取りや見守りが早まることがあります。
費用はかからず、保護者様が利用しやすい相談先です。
学校との話し合いが進まないと感じるときに相談することで、解決につながることが期待できます。
警察
暴力や脅し、金品の要求など、犯罪にあたるいじめが疑われる場合は、警察に相談することで状況が大きく変わることがあります。
相談を受けた警察は、事実確認のために学校へ連絡し、必要に応じて指導を行うことがあります。
費用は不要で、緊急性が高い場面でも動いてもらいやすい窓口といえます。
学校が対応しない状況が続くときは、安全確保のためにも相談を検討してみましょう。
弁護士
弁護士に相談すると、いじめへの対応を法的な観点で整理でき、学校とのやり取りを進めやすくなることがあります。
必要に応じて学校側への連絡など、各種調整を依頼できる点も特徴です。
弁護士が関わることで、学校が状況の深刻さを受け止め、対応に変化が生まれるケースもあります。
利用時には費用が発生し、一般的には初回相談が30分5,000円前後、通知書作成が2万〜5万円ほど、継続的な支援では着手金が10万円前後となるケースもあります。
費用は事務所によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
専門の相談窓口
教育相談センターやいじめ専門の電話窓口など、第三者として話を聞く機関も有効です。
これらの窓口では、保護者様の状況を丁寧に聞き取り、学校との関わり方や次の行動を整理するサポートを行っています。
また、相談内容に応じて、必要な機関につなげてもらえる点もメリットです。
多くは無料で利用でき、初めて外部相談を検討するときにも使いやすい窓口といえます。
いじめ対応の中で子どもの心を守る方法

学校の対応が進まない状況では、お子さまの心が不安定になりやすく、家庭での支えが重要になります。
ここでは、いじめへの対応と並行して実践したい、お子さまの心のケアを紹介します。
安心して話せる環境をつくる
いじめの不安を抱えるお子さまは、気持ちを言葉にするだけでも大きな負担を感じることがあります。
保護者様が「話をいつでも聞くよ」という姿勢を示すことで、安心して話しやすい状況が生まれるでしょう。
責める言葉を避け、「つらかったね」と受け止めることができると、お子さまは気持ちを整理しやすくなります。
家庭で安心感が得られると、学校での出来事に向き合う力が回復しやすくなるため、穏やかな時間を意識的につくることが大切です。
心身の変化に早めに気づく
いじめによるストレスは、行動や体調の変化として表れることがあります。
たとえば、食欲低下、寝つきの悪さ、朝に強い不安を訴えるなど、小さな変化が手がかりになる場合があります。
これらはお子さまが言葉にできない苦しさを示すサインでもあるため、早めに気づくことが大切です。
自己肯定感を支える
いじめを受けると「自分が悪いのでは」と考えてしまい、お子さまの自己肯定感が下がりやすくなります。
そのようなときは、日常の中で小さな努力や良いところを言葉にして伝えることで、「自分には価値がある」と感じやすくなります。
お子さまの行動を具体的に褒めることは、自信を取り戻すきっかけにつながるものです。
お子さまが安心して過ごせる時間を増やすことで、心の負担が和らいでいくでしょう。
学校で無理をさせない
お子さまがいじめに悩んでいることが明らかである場合、無理に登校を続けると、お子さまが自分を追い込んでしまう可能性があります。
状態に応じて、登校のペースを含め、お子さまの負担を調整することが大切です。
登校する日数を一時的に減らす、休み時間の過ごし方を学校に相談するなど、負担を軽くする方法はいくつかあります。
お子さまの様子を見ながら、学校側と丁寧に調整を進めましょう。
専門家のサポートを取り入れる
いじめの悩みは、お子さまだけでなく保護者様の心にも大きな負担を与えます。
そのようなときは、第三者である専門家に相談すると、気持ちの整理や次に取るべき行動を確認しやすくなります。
学校内のスクールカウンセラーのほか、自宅から相談できるオンラインカウンセリングも有効な選択肢です。
客観的な視点が加わることで、お子さまの状態を冷静に見つめやすくなり、状況に合った支え方を考えやすくなるでしょう。
いじめ問題の悩みは「不登校こころの相談室」へ

学校がいじめの対応で動いてくれない状況では、お子さまだけでなく、保護者様の負担も大きくなりやすいものです。
相談先は、学校だけではありません。
必要に応じて、教育委員会や警察といった学校以外の公的機関や、民間サービスへの相談も検討しましょう。
学校や外部機関に相談しても不安が残るときは、気持ちを整理する場所が必要です。
「不登校こころの相談室」では、いじめに悩むご家庭の状況を丁寧に聞き取り、今の状態に合った関わり方や学校との向き合い方を一緒に考えていきます。
自宅から安心して話せるオンライン形式のため、緊張を抱えやすい保護者様でも利用しやすいサービスです。
最初に簡単なAI診断を受けていただくことで、お子さまの状態や相談の方向性を把握することも可能です。
相談先が見つからず悩んでいるときや、気持ちを言葉にしたいと感じるときに頼れる場所として、気軽にご利用ください。

















